TOEIC L&Rで800点越えを目指すには、リーディングセクションを全問解き終えることを優先したい一方、part7の長文読解で時間が足りなくなってしまう人は多いのではないでしょうか?
そんな皆様におススメしたいpart7の勉強法は「問題説明文」→「概要ポイント」→「設問」→「本文」のステップで目を通すことを繰り返してみてください。
この記事では、それぞれのステップでやるべきことや要注意ポイントをまとめてみました。
同時に、実際に筆者が800点超えを達成した際に活用した問題集を紹介します。
長時間とも言える試験時間のクライマックスに値するパートですので、悔いのないように全問解き切りたい皆様には、ぜひ覚えておきましょう。
そもそもpart7とは?
前半は1つの長文に対して2〜4問の設問で構成されるシングルパッセージ、後半が複数の長文に対して4〜5問の設問で構成されるマルチプルパッセージといった形式で出題されます。
長文読解に加えて、54問もの選択問題が出題されることから、圧倒的なボリュームのパートと言えるでしょう。
1-1. 解答時間は?
TOEICのリーディングセクション全体では75分という制限時間があり、リーディングパートのすべての問題を解き切る場合、part7 は1問につき1分が理想的とされています。
このため……
- 頭の中で和訳せずに英語のまま意味を理解すること
- 英文を二度読みしないこと
……といった速読スキルが必要になります。
こういったスキルを強化するのは音読練習が役に立ちますので、気になる方はコチラを参照して下さい。
1-2. 長文と設問にはいくつかのタイプがある
シングル・ダブル・トリプルのすべてのパッセージでは、日常的に目にする広告からビジネス文まで幅広い長文が出題されます。
長文は、おおよそで以下のようにタイプ別に分けられます。
- 広告・お知らせタイプ
- メール・手紙等のレタータイプ
- チャット等のテキストメッセージタイプ
- 説明書やカタログ等の箇条書きタイプ
- 新聞や雑誌等のアーティクルタイプ
- スケジュールや一覧表等の表タイプ
- レシートやアンケート等の短文羅列タイプ
対して、各長文問題に対する設問も以下のタイプに分かれます。
- 目的設問
- ピンポイント設問
- 推測設問
- not設問
- 意図設問
- 同義語設問
- 穴埋め設問
- 文またぎ設問(クロスリファレンス)
こうした典型的な各長文・設問タイプ個別の解説は他の記事でまとめてみるとして、次からpart7の全問題共通する解き方を解説したいと思います。
筆者のおススメの問題集
こうした各設問に対応すべく、豊富な解説と数多くの問題をこなしたい人は、こちらの書籍がおススメです。
実際に私が800点を超える際に使った問題集の一つで、とにかく長文読解に特化した内容です。
この記事で紹介する設問のタイプ分けは、本書の解説を参考にしました。というのも、Part 7の問題を設問のタイプごとに紹介し、それぞれの解き方や注意点が解説されています。
特に、多くの受験者が苦戦する「パラフレーズ」や「当てはまらない選択肢の見抜き方」など、重要なポイントを丁寧に解説されている印象です。また、「位置選択問題」「意図問題」「トリプルパッセージ」にも完全対応した全15回のゼミで、質・量ともに網羅的に押さえられたおススメの一冊です。
各章の冒頭には、キャッチーなキャラクターが先生と生徒として登場しますが、所々で割と体育会系な発言が、読者としてはピリッとしますよ。
TOEIC Part 7における複雑な問題もスムーズに解決し、確実なスキルアップを図りましょう!
part7の勉強法~解き方の手順を習慣化しよう~
さて、ここから筆者が編み出した解き方の手順を紹介します。
冒頭に述べた通り、解き方には4つの手順がありますので、順番に解説してみました。
制限時間以内でpart7を解き切る訓練として、日常の勉強法にも取り入れてみてください。
2-1. 第1に問題説明文”Refer to following 〇〇”をチェック
まず、長文や問題文に入る前の大前提として、「次の〇〇を読んでください」に和訳される問題説明文に確実に目を通してみてください。
なぜなら、最初にここに着目することで、長文タイプが分かり、次の一手の「概要ポイント」に即動けるメリットがあるためです。
例えば、〇〇に”letter”が入っていれば、タイトルと宛先、送り主をサッと読む作業に入ります。また、〇〇に“advertisement”が入っていれば、タイトルと本文中の固有名詞に目を通します。
こうしたスムーズな出だしによって、スタートダッシュを切ります。
また、残り時間も少ない中、苦手なタイプの長文がある場合、時には取捨選択が必要となります。
そんな時に、自信があるタイプの別の長文に即移動できるといった利点もあります。
こうして、本文の内容自体にはあまり関係がないように見える問題説明文の”Refer to following 〇〇”、必ず読んでおいてください。
2-2. 第2に概要ポイントの把握
次は長文の概要を掴むために、「概要ポイント」となる部分をサッと読みます。
長文のタイプ毎で異なるこの「概要ポイント」は、タイトル、人物・組織名といった固有名詞など、長文の概略に繋がるキーワードのことを指します。
おおよそ長文がどんな内容なのか、表面をさらう程度に概要を把握するためのポイントです。
なぜ、このような作業が必要かと言うと、さらにこの次の一手である「設問の把握」に関係します。
次の「設問の把握」のステップからは、「何を問われているか」を短期的にを覚えて本文を読み進めていく流れになります。
しかし、いきなり設問を読むと、設問の丸暗記状態となり得ます。
この丸暗記状態で本文に目を移すと、本文を読んでいるうちに、設問で何を問われているか忘れてしまうことがよくあるのです。
すると、本文を読みながらも設問に目がキョロキョロ、これでは効率的とは言えません。
そこで、例えば「誰が誰に宛てたどんな内容の手紙か」だけでも知っておくことで、長文の内容の理解度が上がります。
よって、設問先読み後に本文に移っても、問われていることを短期的に忘れにくくすることができます。
このように、まず長文の概要を押さえることは重要です。
他の記事で各長文タイプに「概要ポイント」をまとめてみましたので、ぜひ参考にしてみてください。
2-3. 第3に設問の把握
長文の概要を掴んだら、次は設問を読んで、問われていることを把握しましょう。
ここでの注意点として、1問目と2問目の設問までを把握することがポイントです。
理由は2つ。
1つ目は「1問目のヒントが必ずしも長文の冒頭にあるわけではない」ためです。
例えば、”What is the purpose of this letter?”という目的設問が1問目にあるとします。
第1段落で「拝啓、スミス様。先日は当店にお越し頂きありがとうございました。お買い上げ頂いた品物は〜」等と、本題に入る前に社交辞令的な内容が盛り込まれることは、実はよくあります。
第2段落で「さて、今回は当店のセールについてのご案内します。お手持ちの商品引換券を〜」とやっと本題に入るとすると、必然的に1問目の答えはこの時点で絞り込まれます。
こういう時によくあるのが、2問目が”What is indicated about Mr. Smith?”という推測設問になっており「以前、店に来たことがある。」といった選択肢が正解、という第1段落に2問目のヒントが存在するケースです。
すなわち「1問目のヒントが第2段落」「2問目のヒントが第1段落」にそれぞれ散らばっている、イジワルな問題構成ですね。
こうした時、1問目しか目を通していないと、もう一度冒頭に戻ってヒントを探すというタイムロスが発生します。
2つ目は、「何を問われているか短期的に記憶しなければならない」ためです。
前述したとおり本文の意味を把握しながら、問われていることを念頭に置いて、正解につながるヒントを探す必要があります。
しかし3問目以降も覚えようとすると、情報量が多過ぎて、最初の2問の問題を忘れてしまいます。
そうすると、また読み返しのタイムロスが発生しますし、問題一つ一つへの集中ができなくなってしまいます。
記憶力に自信がある方もいらっしゃるかと思いますが、通常、最初の2問程度が限界です。
こうした理由から、問題先読みのポイントは「最初の2問まで」なのです。
2-4. 第4に本文へ
ここまでの手順を踏んだら、いよいよ本文に手を付けてみましょう。
私のオススメの読み方は、「慌てずに、1からストーリーを把握しなら読む」ことです。
なぜならば、part7は本文の内容をキチンと理解していないと解けない問題が多く出題されるためです。
本番中にこんな経験はありませんか?
設問の解答に繋がりそうなキーワードだけ拾おうと、本文の部分を読み飛ばし、それっぽい部分を何度も読み直しているうちに時間が経過していき、焦ってもうパニック……(しかも間違っている……)
”What is indicated about~”、”What is suggested about~”、”What is true about~”から始まる「推測設問」等は要注意です。
また、マルチプルパッセージの場合は、二つ以上の文の内容を統合して答えを導く「文またぎ設問(クロスリファレンス問題)」が出題されます。
こういった問題を読み飛ばしで解こうとすると、複数の長文を跨いで何回も読み返しをしてしまい、混乱の中で時間が過ぎ去っていく、アリ地獄にハマってしまいます。
”Where is meeting held?”と言った「ピンポイント設問」等、一か所だけ見ればわかる問題もありますが、残念ながらそういった問題だけ解けてもなかなかスコアは伸びません。
表面をぬぐうような「浅い読み」ではなく、一つ一つ筋道立てて本文の内容を理解することが、part7の攻略のカギなのだと結論付けたいと思います。
まとめ
今回は、part7全般に共通する長文問題の解き方について解説してみました。
パート7といえば、英語の読解力が試される正念場です。
ほかの記事には、それぞれの長文タイプや問題タイプに分けて解き方を解説してみました。
皆様が、最後まで解答用紙を塗りつぶせることを祈願しましてこの記事を〆たいと思います。
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