TOEICスコア800以上の高得点を目指すにはpart2は全問制覇、落としても1、2問と心得るべきです。
そんな中、TOEIC part2の後半では、ストレートな回答を省略する選択肢が正解となる問題が難しい問題として出題されます。
例えば、普通であれば”Yes”か”No”で答えるような質問でも、敢えてそうは答えずにひねった回答を選択する必要があるのが難しいところです。
こうした問題は、会話の流れをキチンと把握することが重要であり、この流れとはいくつかのパターンに分けることが出来ます。
そこで、こうしたパターンを例題と一緒に紹介します。
今回は、後編ということで、「コメント系」「遠まわしに知らない系」「第3の選択系」の3のパターンを紹介します。
前編にも、同じように押さえておきたい超重要なパターンを紹介していますので、併せて確認してみてください。
パターン4~コメント系~
実は、出題頻度が高いパターンがこのコメント系です。
難易度の高い教材によっては、このパターンばかり収録されていることもあります。
設問中である意見や問いかけに対し、回答者なりのコメントを投げ返しているのが特徴です。
問題文が質問の形でないことが多く、実際の何気ない会話を想定すると自然な流れであると思うと納得するでしょう。
文字にするとこんな感じの出題となります。
Q1: This error message repeatedly appears on my display.
A: Everyone’s been having that problem today.
B: Oh, have you sent an e-mail?
C: These items are displayed on the window.
正解は、Aです。
状況を想像するに、自分のパソコンにエラーメッセージが表示されてことで不思議に思っている人に、同僚が「今日は、みんなが同じ状況にあります(その問題を抱えています)」とコメントしています。
特にコメント系は、会話の状況を推察することで正解にたどり着くことが出来る問題が多いように感じます。
次は少し仕事っぽいやり取りですが、サラリーマンなりの自らの行動をコメントとして回答する例です。
Q2: A director has requested to see the last quarterly report of sales.
A:The meeting with the director is finished now.
B: Ok. I’ll prepare it immediately.
C: Sales report is significant to our team.
今回の答えは、Bです。
「役員が最終四半期の売上報告書を見せてくれ、と言っています」と問いかけおり、もはや”Yes”や”No”といったストレートな回答は会話の流れ的に考えられません。
当事者としては、Bのような「すぐに取り掛かります。」という反応が、会話のキャッチボールとして通常考えられる回答として選択肢に用意されています。
実際に、本番でこうした会話のキャッチボールを掴めないと、思った以上に焦ります。必ず、設問の冒頭から集中して聞き取るようにしてください。
なお、コメント系は他のパターンと合わせて出題されることもあり、一つ例題をこの記事の下の方で紹介してみました。
いずれにしろ「会話の状況を想像」「会話のキャッチボールを掴む」を忘れないでください。
パターン5~遠まわしに知らない系~
前編のパターン1「誰かが知ってる系」と似ていますが、これは問いかけに対して「知らん」の返答を遠回しに答えていることが特徴です。
”I don’t know”などといった日本人定番のフレーズは選択肢に出題されないと思った方がいいでしょう。
例題はこんな感じです。
Q1: What is the best Italian restaurant in this neighborhood?
A: Sorry, I’m not the best person to ask.
B: There are various menu in the restaurant.
C: Mr. Tanaka is in the next building.
この場合は、Aが正解ですね。
「この辺で一番のイタリアンレストランはどこ?」という問いかけに対して、「ごめんなさい、私に質問するのは最適ではありません。」と回答、要するに「知らない」ということです。
なお、こうした湾曲表現は決して悪ではなく、相手に極力不快な思いを与えないようにする配慮であることが多く、実はビジネスや人間関係においてとても大切な表現なのです。
2つ目の例はこちら。
Q2: What’s the topic of today’s meeting?
A: Our manager will attend the meeting.
B: We have already had a reservation.
C: The agenda wasn’t specific.
この場合は、Cが正解です。
「本日のミーティングのトピックは何ですか?」に対して、「アジェンダ(=議題や議事等)は明確にされていません。」と、すなわち「トピックは不明なので、分からない」ということになります。
こうした問題は、ストレートな回答をまずは避けるという観点から、前編で紹介した「いきなり理由系」にも似ており、いかにもTOEICが好きそうな曖昧回答の問題です。
パターン6~第3の選択系~
前編の「いきなり理由系」と似ているこのパターンは、ストレートな回答の代わりに、第3の選択が回答者から提示されることが特徴です。
中には、問いかけ者の意向を無視しているような非現実的な回答もありますが、「そんなものだ」といった程度に構えていた方が得策です。たまに、TOEICにはそうしたツッコミ問題が出題されます。
例えば、こんな感じの問題です。
Q1: Would you like to try the chicken or pork pasta?
A: Are there any vegetarian choices?
B: A seat reservation will be completed soon.
C: No, your choice is different to me.
この場合の正解はAです。
この場合のストレートな回答は”No, I don’t both of them.”等と、一度断りを入れるはずですがそれを飛ばし「ベジタリアンメニューはありますか?」と回答しています。
すなわち、「チキンパスタ」と「ポークパスタ」以外の第三の選択肢で返答しています。
こうして、果たしてそのメニューが無かったらどうするんだろう、と気になるところですが、TOEICの場合そのあたりは気にしない方がいいでしょう。
もう一つ例題を。
Q2: Why isn’t the tomato soup on your lunch today?
A : Yes, we will have a lunch on this afternoon.
B: We’re serving minestrone soup.
C: Because the meeting will be held on a cafeteria.
今回の正解は、Bです。
この場合、例えば”Sorry, it is out of order. But you have another choice.”等というような、トマトスープを切らしてることを伝えるのがストレートな回答でしょうが、そうは答えていません。
その代わり、いきなり「ミネストローネスープならあるよ」という第三の選択を提示します。
個人的なイメージですが、第三の選択系では、食事ネタ、色ネタが多いような気がします。例えば、「会議室のテーブルは赤か青がいいか?」に対して「緑はある?」という回答です。
2つのパターンが融合?
前編と後編を合わせて6つの難題パターンをご紹介しましたが、中には1つのパターンのみではなく、2つ以上のパターンを含む問題も登場します。
例えば、質問で返す系と、コメント系の二つのタイプが混ざった問題はこんな感じです。
Q1: How can we improve our internal communication?
A. Have you found any proof?
B. Improvements are always beneficial.
C. How about encouraging regular team meetings?
この場合の正解はCです。
「組織内のコミュニケーションを向上させるにはどうすればいいでしょう?」に対して「定期的なチーム打ち合わせを促進するのはいかがでしょうか?」と、問題提議に対するコメントを質問で返しています。
なお、こうしたビジネスの場を想定したやり取りは、TOEICでは最頻出内容の一つです。
まとめ
TOEIC part2は、一問一答という観点から比較的解きやすい問題も多く、点取りを期待できるパートだと個人的には思いますが、その分だけミスは避けたいところです。
手堅く点を取っておきたいからこそ、事前に質疑応答のパターンを知っておくことが全問制覇、引いてはスコア800の条件になります。
part2のミスしやすい問題は、やはり会話の流れを把握することが、適切な対処法でしょう。
前編も含め、紹介した6つのパターンを念頭に置くことで、皆さんが会話の流れを掴めるようになることを祈願し、本記事を〆たいと思います。
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