英語力を上げるのに速読力の向上は大切です。
速読力の向上には、音読練習が非常に効果的。
では、音読するのに、英語の発音はどうしよう……
ということで、英語発音のカラクリをここで解説してみました。
もちろん「英語学習者というほどではなくても、ネイティブみたいに英語を話してみたい!」という人にも打ってつけの内容です。
今回は、“F”と”V”の発音のカラクリを見てみましょう。
潰しの効く発音の一つ
これら2つのアルファベットの発音練習は、“F”と”V”だけでなく、他のアルファベットの文字列の発音にも共通します。。
というのも、後で解説する“PH”や“GH”の文字列が入る単語も、全く同じ口元だからです。
よってこの口元をマスターしておくと、他のアルファベットよりも、ネイティブのように発音できる英単語の幅を拡げることが出来るでしょう。
実際の発音練習
まずは、それぞれのアルファベット・文字列の口の動きを解説してみたいと思います。
次に、実際の単語の中でも練習材料になる、代表的な英単語を紹介します。
最後に、練習用の短文を用意してみましたので、参考にしてみてください。
2-1. げっ歯類の前歯
“F”“V”に共通する口元は、リスやビーバーのようなげっ歯類を意識しましょう。
げっ歯類の小動物の口元は、上前歯が下唇に重なっているイメージが強いのではないでしょうか?
これらのアルファベットは、こうした口元で発音することで、ネイティブに近づくことが出来ます。
また、“R”“L”“T”等の舌の動かし方にルールはないため、口元を意識して息を吹くだけで発音が出来ます。
日本語にはない独特の口元であるものの、舌の動きにクセは少なく、日本人でも比較的発音しやすいのです。
2-2. “F”の口元
まずは、少し口角が上がり気味で「エ」と言います。
例えるなら、少しイラッとした時に相手に「は?何か言った?」と言わんばかりに「えぇ?」と聞き返してしまう時に口角が上がると思いますが、まさにその口元が求められます。
なお、この口元は”A”の発音でも同じですので、やはり潰しの効く発音です。
この状態から上前歯を下唇にくっ付けるわけですが、この時は息を軽く吹く程度で問題無いです。
カタカナでは「エフ」になるものの、「フ」とハッキリと言わず、上前歯と下唇から息(空気)が漏れる音が「フ」と聞こえるだけなのです。
これで、“F”は完成です。
2-3. “V”の口元
学校で「ブイ」では無く「ヴィー」と習った方もいるかと思います。
「じゃ、“B”と何が違うんじゃい?」と聞いたところ「“V”は下唇を噛むのよ」と、先生から教わった経験が私にはありますが、下唇を噛んでも痛いだけで、“V”の発音にはなりません。
“F”よりも少し強めに、上前歯を下唇に一度軽く食い込ませ、離すと同時に「イー」と声を出します。
こうして、カタカナだと「ヴィー」といった音に聞こえます。
これで、“V”が完成します。
なお、“B”は「バ」行のように上唇と下唇をくっ付け離す、“V”は上唇の代わりに上前歯を使う、というだけの違いなのです。
2-4. “GH”と”PH”の発音
「上前歯を下唇にくっ付けた状態で息を軽く吹く口の形」である“F”の発音は“GH”と“PH”が全く同じなのです。
”enough”や”phone”が代表的な例です。
ただし、”right”や”daughter”等、実際に発音しないケースも良く出てきますので、全ての英単語とは断言できません。
ですが、“F”の口元は、この二つの文字列を含む英単語を発音するのに大活躍することでしょう。
単語と長文で練習!
アルファベットの練習に力を入れることも確かに大事なのですが、時間が掛かってしまうのも事実なので、ここからは単語から発音のポイントを紹介します。
3-1. “F”と”GH”と”PH”の発音
“F”の発音を中心に、私個人的に発音練習に向いているであろうと思う英単語を紹介します。
ここでは、なかなかネイティブの発音を聞いただけでは分からない、英単語の発音のカラクリを書いてみました。
“photograph”
今回は”PH”の単語をピックアップしてみました。
名詞だと「写真」、動詞だと「写真を撮る」という意味になります。
カタカナ読みで「フォトグラフ」ですが、長めのこの単語を“pho””to””g””ra””ph”と母音と子音のセットで分けるとすると、アクセントは最初の”pho”にあります。
- “pho”: 上前歯と下唇をくっ付けつつ、“o”は「オウ」とカタカナ読みを意識。こうして、「フォ」に軽く「ゥ」とプラスすることで、母音の”o”の面影を残す。
- “to”: “t”は舌の先端を上下の前歯で軽く甘噛み。また、完全な「トゥ」ではなく、どちらかと言うと「テゥ」。(別記事にて、”t”の発音は解説します。)
- “g”: あまり硬いこと考えずに小さく「グ」。ただし、アクセントではないし、母音を持っていないので主張は控えめ。むしろ、実際に発声しなくても問題なし。
- “ra”: 重要な”r”の発音。口の中に少し空洞を作って舌の先端を一瞬上に向ける。口元は、母音である”a”を意識して、口角が上がり気味の「エ」の形。無理矢理カタカナで表すと「ウェァ」を高速で言ったような音に近し。(”R”の発音はコチラの記事へ。)
- “ph”: 最初の口元の同じ。上前歯と下唇をくっ付けて、息を吹くだけ。
この発音を多少強引にカタカナで書くと、「フォゥテゥグウェァフ」といった具合になります。
記事と同時に、翻訳サイトやgoogle翻訳などのアプリにこの単語を入力して、マイクボタンをクリックしてみましょう。AI音声ではあるものの、実際にネイティブの発音を聞くことが出来るので、理解が深まります。
3-2. “V”の単語
“volunteer”
「ボランティア」として日常的に使われていますが、動詞だと「志願する」、名詞だと「志願した人」というニュアンスになります。
何となく、ネイティブの発音をイメージできる人も多いかと思いますが、紐解くと“vo””lun””teer”に分けられ、”teer”にアクセントを置いて発音します。
- “vo”: 上前歯を下唇にくっ付けて発声。母音に関し、アメリカ英語だと「ァ」の音が入るため、カタカナだと「ヴォァ」若しくは「ヴァ」。イギリス英語だと”o”をストレートに発音するため、カタカナだと「ヴォ」。
たまに”vo”はこうして発音に違いがあり、例えば”volume”や”volcano”等があります。
どちらも正解なのですが、個人的にはアメリカ英語の方が聞きやすい方ですので、前者寄りの発音を意識しています。
- “lun”: カタカナだと「ルン」である一方、“l”は下の先端を上前歯に一度くっつけて「ル」と発声する。(コチラの記事で、”L”の発音の解説しています。)
- “teer”: “photograph”の”to”の時のように、舌の先端を甘噛みし口元は「イー」の状態。”R”の舌の動き、すなわち舌の先端を上に向ける。カタカナでいうと「ティーゥ」に近い音が聞こえたら正解。
カタカナだと「ヴァルンティーゥ」が近いと思いますが、やはりアプリでネイティブの発音を確認しながら試してみてください。
3-3. クセ強な例文
次に、紹介するのは発音に慣れるためのフレーズ・短文です。
実際には、こんなセリフを言うこともないのかもしれませんが、口元がげっ歯類漬けになるとしたらこんなフレーズはいかがでしょうか。
1つ目は、“Vortex flow”
和訳は「渦流」で、水理学や流体力学という小難しい理系の論文で見かけるフレーズですが、英語発音を志す齧歯類には大事なフレーズです。
このフレーズには子音同士の連結等はありませんが、強めの”V”と弱めの”F”の使い分けがポイントとなります。
また、”V”と”F”の直後に”R”と”L”が入っています
上前歯と下唇を離した時に、それぞれ“R”と”L”に合わせ舌の先端をいかにスムーズに動かせるかがポイントになるでしょう。
まずは、口元と舌の動きを意識しながらゆっくりと発音に慣れていきましょう。
2つ目は、“Five velvet blue photographs are Pharrell’s favorite.”
和訳は「5つのヴェルヴェットブルーの写真がファレルのお気に入りです。」になりますが、会話の中でなかなか出てこないフレーズだと思いますので、例文として捉えてください。
上前歯の下唇への食い込ませの強弱を意識してみてください。
ここで、音読するのに、この例文のキーポイントを2つ紹介します。
まずは、“blue”なわけですが、”B”から始まるこの単語は、もちろん”V”と区別しなければなりません。
単純に“B”は「バ行」の口元ですので、”V”の口元に釣られてしまわないよう、上唇と下唇で「ブ」と言う口元、かつ母音がないので軽い破裂音だけで問題ないです。
次に、“five velvet”です。
“five”は最初の”fi”にアクセントがあるわけですが、ラストの”e”は母音として無視されることがよくあります。
例文中の”favorite”のラストの”te”も舌を甘噛みするだけで、子音で終わる単語と同様の発音になります。
語尾が子音化されている”five”は、直後の”v”から始まる”velvet”と、一つの単語のように発音が連結し、発音的に言うと”fivelvet”になるのです。
多少強引にカタカナで言うと「ファイヴェゥヴェッ」という聞こえ方が近いのではないでしょうか。
もちろん、最後の”t”はハッキリと発声しないで舌の甘噛みだけで終わります。
また、この例文には”R”や”L”、”O”等のアルファベットも含まれています。
やはりこちらも、単語と単語の連結を意識しつつも、ゆっくりと読み上げて練習してみてください。
まとめ
今回の”F”と”V”は、イメージが齧歯類から入りましたが、上前歯と下唇を使って発音することがとにかくキーポイントです。
また、”PH”や”GH”といったアルファベットの組み合わせにも登場するので、単語の幅も広がる特徴を持っています。
ハッキリと発声することがない子音のみの場合でも声に出していないだけで、その口元の特徴から、詰まるような息の吹きかけの音が特徴なのかなと思います。
単純ながら、とは言えごまかしが効かない発音の一つなので、この機会に是非マスターしてみてください。
コメント