TOEICパート7の、「広告・お知らせ」タイプとは?解き方は?
すなわち、問題説明文に”Refer to the following advertisement.”の一節がある問題ですね。”notice“等という言葉も使っていることもあります。
このタイプは、パート7の序盤からマルチプルパッセージ問題まで幅広く見られます。
ポイントは「誰・何が、何を、どんな目的?」を、「当事者意識」を持って読み解くことです。
広告・お知らせ問題とは?
まずは、このタイプの形式・特徴と、本文を読み解く上で意識すべきポイントを解説したいと思います。
1-1. 長文の形
ここで言う「広告・お知らせ問題」とは、不特定多数の人々(もしくは一集団)に宛てた長文を指しています。
例えば、求人広告やお店の宣伝、掲示板等といった生活の中で日常的に目にする内容が多いことが特徴です。
1-2. 意識すべきポイント
このタイプの問題を読み解く際は、冒頭でも触れたように「誰・何」が「何」を「どんな目的」で広告を出しているのかを意識してみてください。
例えば、日常的に目にする商品広告を思い浮かべてみてください。
家電メーカー「誰・何」が、自社製品「何」を、売り込もう「どんな目的」としていることが、広告のおおよその内容になります。
また、そこには「何を」「どんな目的」に付随して、スペックや価格が書かれていることが想定されます。
TOEICも同様で、この広告の基本構成を踏襲した長文がよく出題されます。
こうしたことから、「誰・何が」「何を」「どんな目的」を意識しながら読み解いてみてください。
1-3. 当事者(=読み手)意識を持つ
もう一つのポイントとして、実際に自分が不特定多数のうちの一読者として広告を読んでいるような、当事者意識を持って読むことも意識してみてください。
というのも、本文中では読み手に「やってもらいたい」ことを働きかけることが多く、設問でもその内容を聞かれます。
そこにいるであろう実際に広告を読んでいる「読み手」に自分のチャンネルを出来るだけ合わせて、「次に何をすべきか」正確に把握することがキーポイントと言えるでしょう。
先ほどの例を挙げてみると、家電メーカーが一通りいかに魅力的な商品なのか説明します。
もちろん、読み手に買ってもらうことが目的ですが、実際に買うための手続きはどうするか等の説明しなければお客は何も買えませんね。
そこで例えば、メールアドレスやURLを広告に貼り付けた上、氏名、住所、電話番号等の個人情報を書いてメッセージを送ってもらうように、読み手に「働きかけ」ます。
こうした広告の締めくくりはTOEICでよく見かける流れです。
こうした流れにうまく乗って本文に書かれている情報を吸い上げるため、当事者(=読み手)意識が非常に重要になります。
広告・お知らせ問題の解き方
ここからは、問題を解く際の攻略方法や注意点を解説してみました。
パート7の問題全般を通じて共通する攻略方法は、コチラの記事で解説してみましたので、合わせてご参考にしてみてください。
2-1. 最初のポイント
まずは、本文の内容を概要的に把握します。
ここでは、概要的に把握するためにサッと目を通すべき本文中の箇所を、「概要ポイント」と呼んでみました。
概要ポイントはコチラで詳しく解説しています。
広告・お知らせ問題の「概要ポイント」は、「タイトル」と「固有名詞」です。
これらをチェックすることで、誰がどんなことを発信しようとしているのか、概要的に確認することができます。
まず、「タイトル」について、お店の広告を例に取ってみます。
タイトルには”Casual Italian Cuisine in your town!” といった見出しがあります。
こうしたポイントから、「誰(イタリアンレストランor紹介者)」が「何(自分の店orお気に入りの店)」を「どんな目的(アピールしたい)」という概要を掴みます。
ここで、タイトルを読む上での注意点として、タイトルの書き方が「所有格の固有名詞」+「名詞」といった、構文通りに文面が成立していないケースがよくあります。
宣伝文句の場合もよくあります。そんな時は、客の目を引くためにキーワードだけ並べているケースが多々あります。
チェックの際は深読みせず、文法はある程度無視し、単語のみ拾う作業だけで問題ありません。
次に、「固有名詞」について触れてみます。
例えば、企業内のお知らせだと、レター問題のように宛先と宛名がある場合があります。
この場合、宛先に”all employees”とあれば、宛名は必然的に”manager”や”director”といった統括的なポジションとなっています。
こうしたポイントから、「誰が」「誰に向けて」を把握できるため、概要理解がより深まります。
こうして、「タイトル」と「固有名詞」をチェックすることで、概要を簡単に把握します。
2-2. 設問タイプは?
「概要ポイント」に目を通したら、最初の1~2問の設問を読み何を聞かれているのかを確認し、短期的に記憶します。
今回は、「推測タイプ」と「ピンポイントタイプ」から、広告・お知らせ問題でどのようなことが聞かれるか確認してみましょう。
いずれも、「誰・何が」「何を」「どんな目的」なのか、「当事者(=読み手)意識」を持つことで正解にたどり着く設問です。
1つ目に「推測タイプ」では、広告・お知らせ問題の代表的な設問の一つとして、”Where would most likely this announcement appeared?” というように、「本文はどこに貼り付けてあるお知らせか?」と聞かれることがあります。
これには、まずは、私は消去法で正解を導くようにしています。
例えば、タイトルや冒頭の一文、名詞・固有名詞から「何をどんな目的でお知らせしようとしているのか」を把握します。
そして、あくまでも「普通に考えてこんなところには書かれていない」という常識的な視点で臨むことで、選択肢を半分程度には絞れるケースが多いように感じます。
この後は、本文の文脈を一から把握していき、「どこ」に関わる箇所と矛盾が生じる選択肢を消去することで、正解にたどり着きます。
具体的に「ここに掲示していますよ」と、掲載場所が明記されているケースは極めて稀ですので、こうした推察のプロセスが重要になります。
また、例えば”What is mentioned about ○○”というように、本文中の「誰・何」や「何を」について「言えること」を選ばせる設問もよく出題されます。
このタイプの難しいところが、一か所だけ見て正解が分かるわけではなく、本文中にヒントが散らばっている点でしょう。
もっと強敵なのは、”What is indicated in this note?” と「本文から分かることは何ですか?」という掴みどころがない設問もあります。
「広告・お知らせ問題だからこう」という対策はありませんが、設問と選択肢の関係を見てみると、やはり「誰・何」が「何なのか」を問うことが多いように感じます。
「ピンポイントタイプ」に関しては、「読み手に何をやってもらいたいか」を拾ってみましょう。
これには、「当事者(=読み手)意識」がカギとなります。
”What should applicants do next?” (応募者は次に何をすべきですか?)と設問で聞かれるとします。
こうした設問に対する回答は、本文の締めくくりとして記載されているケースが多いように感じます。
“Applicants must enter their phone number in the inquiry form on the website.”(応募者はウェブサイトの問い合わせフォームに連絡先を入力してください)と締めくくられているとしたとき、設問の選択肢の一つに”Enter personal information on the website.”(ウェブサイトに個人情報を入力する)とあれば、それが正解です。
すなわち、広告主が読み手にやってもらいたい何かを頼むことが、広告・お知らせ文のオチなのです。
広告・お知らせ問題には、「穴埋め問題」「not問題」と言った設問も出題されますが、やはり「誰・何が」「何を」「どんな目的」からストーリーを把握することが正解への近道だと思います。
3-3. 本文の読み方
ほかの長文のタイプと同様に、飛ばし読みはせずに、「慌てず1からストーリーを把握しなら読む」ということに尽きます。
これは、「本文の内容をキチンと理解していないと、解けない問題が多く出題される」ためです。
「パート7の解き方~共通編~」の記事に、この理由を解説してみましたので、同時に参考にしてみてください。
また、「1からストーリーを把握しながら読む」ことについて、練習方法はコチラの記事で解説していますので、こちらも参考にしてみてください。
パート7後半に出題されるようなレベルの高い問題では、本文中の表現を選択肢では別の表現に言い換えているケースがよくあります。
こうした言い換えは、本文の文脈をキチンと把握しておくことで正解に近づくことができます。
例えば、前述したタイトル”Casual Italian Cuisine in your town!” という見出しの長文を考えてみましょう。
“Our Italian restaurant has been awarded two Michelin stars for five consecutive years thanks to the excellent cuisine served by our experienced chefs.”(私たちのイタリアンレストランは、経験豊かなシェフたちによる素晴らしい料理により、5年連続でミシュラン2ツ星を獲得しました。)
という一文がある場合、いくつかの別表現に要約することができるでしょう。
”The restaurant has received five prominent awards.”(そのレストランは5つの著名な賞を受賞した)や”The restaurant has skillful chefs.”(そのレストランには優秀なシェフたちがいる)等です。
このような言い換えが選択肢として出題されることは本当によくあります。
いかにも正解に見える選択肢が並んでいる中、適切な言い換えを選ぶためには、必ず本文の文脈を把握する必要があります。
これは、何も今回の広告・お知らせ問題に限定されたポイントではありません。
言い換え表現は必ず押さえる気概で、本文のストーリーを1から把握することに力を注いでみてください。
まとめ
「誰・何が」「何を」「どんな目的?」を「当事者(読み手)意識」を持って読み解くことが、広告・お知らせ問題のキーポイントです。
シングル・ダブル・トリプルパッセージのパート7全般に亘って出題されるため、慣れておきたいタイプの一つです。
皆さんが、本記事からヒントを得られ、スコアアップの突破口となることを祈願しまして、〆たいと思います。
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