日常会話でちょっとしたおしゃれな英語を使えたらかっこいいですよね。映画や洋楽の中には、そんな素敵なフレーズがたくさん隠れています。

サラリと会話に添えることで、洗練された英会話に昇華させてみましょう!
今回は、筆者の最高にお気に入りな映画「ダークナイト」より、筆者の最高にお気に入りなヒースレジャー版ジョーカーのセリフから、10個のフレーズを厳選しました!
「ダークナイト」って?
言わずと知れた、バットマンシリーズの映画の中でも傑作の呼び名が高い一作!主人公バットマンと悪党ジョーカーとの戦いをベースに、人間の心の闇や正義の意味について深く考えさせる作品として、高い評価を受けています。
その中でも、筆者が特に好きなキャラクターであるジョーカー。常に予測できない行動をとり、カオスを引き起こすキャラクターで、物語の中でも強烈な印象を与えます。

筆者的に、ジョーカーを演じた俳優は数多くいますが、やっぱり故ヒース・レジャーが演じるジョーカーが一番のお気に入りです。
私が思うに、このヒース・レジャー版ジョーカーは、そのワードセンスが大きな魅力の一つなのではないでしょうか。
もちろんヒース・レジャーの見事な演技があってのキャラクターですが、ニヒルでシャレっ気があって異常者なのに憎めない言葉選びが、絶対的な人気キャラクターとして不動の地位を確立させたのではないでしょうか。
そんなジョーカーのセリフから、日常会話で使えるシャレた英語フレーズを、今回は10個厳選しました!

ネタバレを防ぐため、極力濁した表現にして紹介しています。
Why so serious?
シーン: ジョーカーのあまりにも有名なセリフ。顔の傷のエピソードを語る時、「なんだ、そのしかめっ面は!?」と、幼少期の凄惨な記憶(本当か嘘かは不明。)を打ち明けるシーンで使われました。
直訳: なんで、そんなに深刻なの?
ニュアンス:
映画だとかなり重いシーンで使われていましたが、日常会話では、例えば相手が深刻に考えていることに対して、リラックスを促したい時に使えるでしょう。仲間内の会話では、友達が真面目過ぎるときに、冗談っぽく使えますよ。
ただし、あくまでも雑談として冗談を言う時に使うからこそ小粋なので、真剣に悩んでいる相手に使うと不快に撮られてしまうかも。状況に応じて、使ってみてくださいね。
例文:
- “Oh, come on! Why so serious? You still have a chance to make up for it!”
「(失恋している友達へ)なあ、大丈夫だよ!そんなに深刻にならないで。まだまだチャンスはあるよ!」 - “It’s not funny.”
“Hey men! It’s just a joke. Why so serious?”
(冗談が通じず)「いや、笑えないんだけど。」
「おいおい、ただの冗談だよ。そんなに真面目にならなくても……」
I’m a man of my word.
シーン: ジョーカーが、ニュース番組を使って犯行声明を出す時に使ったフレーズがこちら。「覚悟しておけ」と言わんばかりに、犯行声明のビデオの最後に付け加えていました。
直訳: 私は自分の言葉を守る男だ。
ニュアンス:
ジョーカーが使ってしまうと、釘を刺されたような、少し脅しが含まれているような感じもありますが、本来は「信じて、約束は守るよ!」というニュアンスを持つフレーズです。
ただし、ビジネスというよりも、カジュアルに使いたいフレーズです。また、ビジネスの場でもアイスブレークの際には使ってもいいもしれませんね。
例文:
- “I’m a man of my word, I’ll help you.”
「私は言ったことを守る男だから、手伝うよ。」 - “Don’t worry, I’m a man of my word.”
「心配しないで、僕は約束を守る男だから。」
You see, I’m a guy of simple taste.
シーン: 「大金を手に入れて、これから何をやろうとしている?」と、マフィアから聞かれた時にジョーカーが使ったセリフ。ジョーカーが自分の趣向が、金目や地位には全く興味がないことを伝えたいが故に添えた一言です。
直訳: わかるかい、私はシンプルな趣味の男だ。
ニュアンス:
劇中では、狂気的な趣味を持っているのに、「俺はシンプルな趣味の持ち主さ」と言っているある種の謙遜を交えた皮肉に聞こえます。自分で本当に、趣向がシンプルである時にも使えますが、ジョーカーのように敢えて「実は全然シンプルじゃないけどね」と冗談っぽくサラリと使うとオシャレ!
ちなみに、日本語字幕では「俺の生活と言えば質素なものだ。」と、直訳以上に謙遜ぶりなセリフとして意訳されています。ナイスですね。
例文:
- “Just give me a good burger, rahmen, cold beer and I’m happy. I’m a guy of simple taste.”
「ハンバーガーだったり、ラーメンだったり、冷たいビールで幸せだよ。シンプルでしょ。」 - “Dude, you just bought another limited edition watch?”
“Well, you see, I’m a guy of simple taste.”
「マジで?また、限定版の時計を買っちゃったの?」
「えーっと、分かるでしょ、俺も単純な男なのよ。」
I had a vision of a world without Batman.
シーン: これもニュース番組で、ジョーカーの犯行声明で使われたセリフです。それまでゴッサムシティの人々に対して出していた「バットマン出てこいや!」と言うメッセージから反転し、計画を企んでいます。この時の最初に使ったフレーズがこちら。
直訳: バットマンのいない世界を想像してみた。
ニュアンス: “Batman”と言う言葉を抜かすと、”I had a vision of a world without ○○.”です。これは、「○○が無い世界を想像してみた。」なわけですが、「○○が無ければ、いいのになー」というニュアンスで日常的に使えます。
すなわち、”vision”と言う言葉を使うことによって、「願望」や「理想」を表すニュアンスを持つことになります。
例文:
- “I had a vision of a world without Monday meetings… and it was beautiful.”
「月曜の会議がない世界を想像したんだけど…最高だったよ。」 - “I’ve always had a vision of a better future.”
「私はいつもより良い未来のビジョンを持っていた。」
I don’t want there to be any hard feelings with you Harvey.
シーン: ジョーカーがハーヴィーに対して使うセリフの一つです。シチュエーションは、病院の一室。ジョーカーは、ハーヴィーという人物の心理をコントロールするがために、あたかも誠意があるかのようにこの言葉を使っています。
直訳: 君との間にわだかまりを持ちたくないんだ、ハーヴィー。
ニュアンス: 映画の場合、ジョーカーが言うと”hard feelings”に皮肉を置いていますね。“any hard feelings”は「わだかまり、不快な感情、恨み」と言ったニュアンスを持っていますが、リアルの場合に置き換えると、例えば白熱した相手と一旦アイスブレイク的に、関係修復したい時に使うといい感じの言い回しになります。
例文:
- “I know we had a disagreement in the meeting, but I don’t want there to be any hard feelings with you”
「会議では、意見が食い違ってしまいましたが、あなたとわだかまりを持ちたくないのです。」 - “I don’t want to hurt anyone, just no hard feelings.”
「誰も傷つけたくないんだ、ただ悪い気持ちは持たないでね。」
Introduce a little anarchy.
シーン: こちらも病院の一室で、ジョーカーがハーヴィーに対して使ったセリフ。「少しの無秩序を加えるだけで、人間の本性がむき出しになる」と、ジョーカーなりの哲学をハーヴィーに説いているシーンで使われました。まさにジョーカーらしい、混乱と混沌を煽るセリフですね。
直訳: ちょっとした混乱を持ち込む(命令形として使う場合、文末は「持ち込め。」)
ニュアンス: “anarchy”は、「無秩序、混乱、無政府状態」という意味です。ジョーカーが使うとガチに聞こえるので、同じように使うとドン引きされるかもしれませんが、「無秩序」を少しポジティブに使うと個性的な表現になり、オシャレ感が上がるかも?
例文:
- “We’ve been working nonstop. Let’s leave early and grab some drinks! Just introduce a little anarchy!”
「ずっと働き詰めだし、早めに切り上げて飲みに行こうよ!ちょっとした気分転換さ。」 - “Hey, don’t tease me too much about my ex. Please don’t introduce a little anarchy.”
「ねえ、前の恋人の話であまりいじらないでよー。カオスになるのは勘弁して。」
Now we’re talking.
シーン: これもジョーカーとハーヴィーの会話の中で出てきた、ジョーカーのセリフですね。(別にこのシーンだけがすべてではないんですが……。)ざっくり言うと、ジョーカーのアブナイ持論を聞いていたハーヴィーが、ジョーカーの話に被せるように危険な賭けを提案します。そこでジョーカーが言うのがこちらのセリフです。
直訳: さあ、話が進んできた。
ニュアンス: 映画では、ジョーカーとハーヴィーの間の会話がヤバい方向になってきたときに使っていますが、日常会話でも使えます。
ちなみに、映画の日本語字幕では「面白い」です。
会話が楽しくなってきた……と言うよりも「会話がノッてきたねー」的に、サラリと付け加えるフレーズです。こちらが振った話に対して、相手が良い方向に返してくれた時とか使うと親近感が沸いてきます!
例文:
- “Now we’re talking! Let’s get this started.”
「さあ、話が進んできたね!始めよう。」 - “Now we’re talking, this idea is great!”
「いい感じだね、このアイデア最高!」
ちなみに、これの前に紹介したフレーズと組み合わせると、悪めのご友人とちょっとした羽目を外す時に使うのに、イイ感じの表現に。
- “Now we’re talking. Let’s introduce a little anarchy!”
You complete me.
シーン: 警察署の取調室、バットマンとジョーカーが対峙しているシーンで使われたセリフで、二人の表裏一体な関係性が表現されています。バットマンは「悪と戦うヒーロー」だけど、ジョーカーは「悪を作り出し、混乱を楽しむ存在」。つまり 「バットマンがいるからこそ、自分の存在が際立つ」 という皮肉を込めて使ったフレーズがこちらです。
直訳: お前が俺を完成させるのだ。
ニュアンス: 実は「あなたがあってこその自分。」という表現から、恋愛シーン等のロマンチックな場面で使っても映えるフレーズの一つです。また、フォローしてくれた仲間に対して感謝の意を込めて使っても良しなフレーズですね。
例文:
- “My life was so boring before I met you. You complete me.”
「君に会う前の人生はとても退屈だった。君がいないとダメなんだ(君が僕を完成させるんだ)。」 - “Man, I would be lost without your help. You complete me.”
「君の助けが無かったら終わってたよ。君がいないと(俺が)成り立たなかったよ。」
I’m just ahead of the curve.
シーン: こちらも、バットマンがジョーカーを尋問しているシーンで使われたセリフです。ジョーカーは「自分はただ皆より少し先を行っているだけだ」と語り、自分の行動が特別なものではなく、“秩序の崩壊” の必然的な流れを読んでいるだけ だと主張しています。
直訳: 私はそのカーブの先にいるだけだ。
ニュアンス: ジョーカーが使うと 「俺は狂ってなんかいない。世界が後から俺に追いつくんだ。」 という皮肉と狂気が込められたセリフになっていますが、映画のような緊迫感満載のシーンでしか使えないわけではありません。“ahead of the curve” は、「(市場や流行を)先取りする」「他人よりも早く新しいことに気づく」という意味のビジネス用語です。
すなわち、「先見の明がある」を英語では、「本来先が見えないであろうカーブの先に立っている」と表現していますね。
例文:
- “I’m just ahead of the curve with this project.”
「このプロジェクトでは、私はちょっと先を行っているだけだ。」 - “Why are you always wearing those weird sneakers?”
“Just wait. They’ll be the next big thing. I’m just ahead of the curve.”
「なんでそんな変なスニーカー履いてるの?」
「まあ見てなって。これから流行るんだよ。俺はちょっと先を行ってるだけさ。」
You need an ace in the hole.
シーン: このセリフは、映画の終盤において、ジョーカーがバットマンに対して言うセリフ。決着が付いたと思いきや、ジョーカーがバットマンに「自分には隠し玉がある」とほのめかす場面として印象的なシーンです。これでは終わりでなく、これからゴッサムをさらなる混乱へ導くことをジョーカーが確信しています。
直訳: 切り札は必要なんだよ。
ニュアンス: “Ace in the hole” は、「奥の手」「最後の切り札」という意味のフレーズ。つまり、ジョーカーは「バットマン、お前はまだ俺の本当の計画を知らないだろ?」と暗に伝えています……とマウントを取るだけがこのフレーズでは無く、「とっておきの秘策を持っている」というシチュエーションにマッチします。ちなみに、日常会話でもビジネスシーンでも使えますよ!
例文:
- “I’m so worried about the presentation tomorrow.”
“Just memorize the essential key words. You need an ace in the hole.”
「明日のプレゼンが心配です。」
「大切なキーワードだけでも覚えて。切り札は必要ですよ。」 - “Should we use our best player now?”
“No, not yet. Keep him for the final round. We need an ace in the hole.”
「今、うちのエースを出したほうがいいかな?」
「いや、まだだ。最終ラウンドまで温存しよう。切り札は必要だからな。」
まとめ
「ダークナイト」のジョーカーのセリフは、映画の中でも非常に印象的で、使い方によっては日常会話に使ってもおしゃれでクールな響きがあります。
これらのフレーズで、皆さんがワンランク上の英会話を楽しめることを祈願しまして、本記事を〆たいと思います。
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