大昔、モンゴル民族は、大草原を駆ける遊牧民族でした。
彼らの家と言えば、移動用住居であるテント「ゲル」です。 せっかくモンゴルに来たのであれば、伝統を感じるこのゲルを肌身で感じてみようではありませんか。
近頃のゲル事情
ゲルは、モンゴルの遊牧民が住む伝統的な円形のテントで、丈夫で暖かく、風や雪をしのぐことができる構造が特徴です。
ゲルはただの住居にとどまらず、モンゴルを訪れる観光客も、このユニークな体験を楽しむことができ、宿泊施設としても利用されています。
基本的に観光客の宿泊ゲルには、トイレや洗面所は完備、電気も来ています。
特に、ウランバートル市郊外には多くの観光向けゲルが整備されており、都市の喧騒を離れた自然の中で、モンゴルの伝統的な生活を体感できる場所となっています。
また、現代のモンゴルの人々にとっても、ゲルは生活にまだまだ密着したものになっています。この記事では、現地のゲル事情にも少し掘り下げ、ローカルな空気感もお伝えできると嬉しいです。
観光向けのゲル
2-1. 絶景ポイント多し!”Mongol Nomadic Camp”
モンゴル旅行でゲルに宿泊することは、単なる宿泊にとどまらず、モンゴルの伝統的な生活様式を体験することができる貴重な機会です。
特に、ウランバートル市近郊のトゥブにある「Mongol Nomadic Camp」は、観光客向けに設計された宿泊施設で、自然の中に溶け込んだゲルでの宿泊が可能です。第一印象としては、とにかく景色が素晴らしい!
実際に写真をご覧になった方がいいので、細かい説明は端折りますが、レストランやお土産屋さんも揃っていますし、設備としては不自由ありません。
宿泊ゲルが並ぶ全体像。大自然の空気を思いっきり吸うことが出来ます。
宿泊ゲル。左側がリビング兼寝室で、右側がトイレ等の水回り設備が配置あります。
上の写真で言う、ゲルの玄関からの眺め。この光景が普通になります。
そして、車で10分程度移動した山の尾根から見た夕日がこちら。もう非日常の極みのような場所です。
また、このキャンプ場は、モンゴルの伝統的なゲルを模したテントも提供しており、モンゴルの遊牧民の暮らしを疑似体験できる場所です。
モンゴル料理を堪能できるレストラン。たまには、肉にガッツいてもいいのでは?
日本人観光客も多く訪れ、現地の食文化や伝統的な生活、そして絶景を感じることも出来ます。
これぞリゾートゲル!”ASALAND”
そして、究極の観光客向け宿泊ゲルとして紹介したいのが「ASALAND」です。この宿泊ゲル施設は、モンゴルの伝説的な横綱、朝青龍が経営するリゾートキャンプです。夏の期間のみ営業しており、モンゴルの短い夏を楽しむために多くの旅行者が訪れます。
特徴的なのは、中央にあるメインゲルと宿泊施設として提供されるゲルが、まるで宇宙船のような未来的なデザインをしていることです。
部屋の中は清潔感に溢れ、快適な寝具や最新の設備が完備されていました。自然の中で過ごすにもかかわらず、贅沢な宿泊体験を楽しむことができます。
加えて、リゾート内にはキャンプファイヤーを楽しめる場所もあり、夜のひとときには星空の下で温かい焚火を囲みながら、モンゴルの大自然に包まれた時間を過ごすことができます。
ただし!後だしで恐縮でございますが、実はここまで行くのに距離が難点!この施設、モンゴルのかつての帝都「カラコラム」周辺といった、ウランバートル市から車で5〜6時間の距離にあります。
ASALANDはモンゴルの文化と自然を尊重しつつも、最先端の快適さを提供するユニークな場所です。自然とともに過ごし、豪華な設備を堪能したいという方には、ぜひ訪れてみてほしいスポットです。
モンゴル文化に根付くゲル
モンゴルのゲルは、何も文化的なアピールだけで存在するわけではなく、モンゴル人の日常・文化の中にも深く根付いています。
そうした空気感を感じてもらうため、今回は写真と一緒に現地の状況を紹介してみました。
3-1. ウランバートル市のゲルエリア
ウランバートル市の北側には、実際の居住用として使用されているゲルが点在するエリアがあります。特に、「ザイサントルゴイ」という展望台からの眺めは非常に美しく、丘陵部に広がるゲルの群れを見ることができます。
写真だと見えにくいかもしれませんが、ビルやアパートメント群の向こうに見える丘一面が、ゲルエリアになっていました。
このエリアは、ウランバートルの中心から車で少し離れた場所にあり、モンゴルの伝統的な暮らしが色濃く残る場所です。
多くの家庭では、ゲルを住居の一部として使用しており、現地の生活の一部を垣間見ることができます。ゲルエリアには、母屋の隣にゲルを建てているケースが多く、遊牧民文化の名残を感じさせます。
余談ですが、この近辺は、水道が来ているわけではなく、エリアに点在する給水所に給水車が定期的にきれいな水を供給しているようです。
3-2. キャンパーは要チェック?キャンプ用品としてのゲル
モンゴルの人達にとって、ゲルはただの宿泊施設や家屋にとどまらず、キャンプ用品としても使用されています。特に、ウランバートル市から少し離れた草原では、普通のキャンプ感覚でゲルを設置している様子をよく見かけます。
モンゴルではキャンプの規制が日本よりも緩いため、広大な草原に簡単にテントやゲルを建てることができます。
このように、モンゴルの草原では、軽トラの荷台にゲルを積んで運んでいるキャンパーも多く、その風景はモンゴルならではのものです。
まとめ
モンゴルでのゲル宿泊は、現代の便利なホテル生活とは一味違い、モンゴルの遊牧民文化を実感できる貴重な体験です。また、ウランバートル市中心部から少し外れれば、実際にモンゴル人が生活しているゲルエリアから、生活様式の一部を垣間見ることが出来ますし、キャンプ用品としてのゲルの利用法も面白い側面です。
モンゴルを訪れた際には、ぜひゲルでの宿泊を検討して、そのユニークな生活スタイルを実体験してみてください。
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