モンゴルは、広大な草原と大陸性気候が特徴的な国であり、その文化や生活様式も非常にユニークです。モンゴル人の生活の中でお酒は重要な役割を果たしており、一般的にお酒を楽しむ文化が根付いています。
モンゴルには特に寒い気候が影響し、強いお酒が多く、また、地域独自の風味を楽しめるお酒も数多く存在します。
一方で、政治的な事情や文化的背景から、酒類に関して特別な規制が求められるという、海外の呑兵衛には少しおっくうな局面も。
この記事では、モンゴルの酒文化に焦点を当て、現地でおすすめのお酒を紹介していきます。
アルコール度数は高い!
モンゴルの気候は、特に冬季の寒さが厳しいことで知られています。冬の気温は-30℃を下回ることもあり、モンゴル人にとっては、暖かい環境を保つためにも強いお酒が好まれます。そのため、モンゴルのお酒の中には、サワーのような軽いお酒はあまり見かけません。
代わりに、ウォッカ、ビール、ウィスキーなど、アルコール度数が高めの飲み物が多く流通しています。
後は、韓国系が進出していることもあり、レストランではチャミスルを見かけます。軽めのお酒は、見ないことは無いのですが、コンビニで数種類あるくらいの印象。
ウォッカは特にモンゴルの飲み物として親しまれており、強いアルコールが苦手な人でも比較的飲みやすいものが多いです。特に、寒い季節にはウォッカをストレートで飲むことが一般的です。
後述しますが、ウォッカは、輸入品ではなく、国産が多いのが特徴。その土地ならではのお酒を嗜んでみましょう!
国会や地方の選挙前後では、酒類の販売禁止??
具体的なお酒の紹介をする前に、モンゴルのアルコール類を巡っては、少々厄介なポイントがあります。
まず、モンゴルでは、選挙前後になると酒類の販売が厳しく制限されます。
国会や地方選挙の期間中、酒類の販売は禁止されることがあり、これは酔っ払いによるトラブルを避けるための措置です。政府的には、選挙期間中にアルコールを許してしまうと、酔っぱらってのトラブルによって秩序が乱れることを恐れていて、かなり厳格にこの規制を実施しています。
そして、もちろん観光客もこのルールに従う必要があります。
モンゴルを訪れる際、「どうしても」と言う呑兵衛の皆様は、選挙の時期に合わせて渡航日程を調整するか、持ち込みも検討することも視野に入れましょう。
例えば、バー、レストラン、コンビニなどで、選挙期間中にどれだけ懇願しても、店員さんは首を縦に振ってはくれません。
モンゴルのお酒、飲んでみた
では、前置きと注意点はこのくらいで、呑兵衛である筆者が実際に飲んだお酒をジャンルに分けて紹介します。
3-1. まずはビールで
モンゴルにおけるビールは、非常に安価で、地元の人々に愛されています。
特にモンゴル国内で生産されるビールは手頃な価格で、コンビニやスーパーマーケットなどで簡単に購入することができます。モンゴルビールは味もしっかりとしており、個人的には好きです。
モンゴル産ビールの「Боргио(Borgio/ ボルジョ)」。代表的な「ゴールデン・ゴビ」「チンギス・ビール」を除けば、これがお気に入りかもしれんせん。
インポートビールだと、日本やその他海外のメジャーなビールも販売されており、モンゴル産ビールよりも若干高め。それでも、日本で買うよりも十分安価です。
CU等のコンビニで手ごろに手に入る、韓国ビール「CASS」。相当種類が多いです。韓国系ブランドや商品の流通が強いことが実感できます。
チェコビールの「Krušovice」。ハイネケン系列のビールで比較的に軽めな印象ですが、十分に堪能しました。
あまり日本では見かけないインポートビールも、コンビニや小さな商店に行けば豊富に手に入れることが出来ます。モンゴル産ビールもインポートビールも、広く味わってみるのも楽しいかもしれません。
3-2. ウォッカは国民のお酒!
モンゴルの酒文化で欠かせないものの一つがウォッカです。
モンゴル国内には多くのウォッカブランドがあり、そのうちの一つが「エデン」ウォッカ。最もポピュラーで比較的に飲みやすく、レストランやバーでもよく見かけるド定番ウォッカの一つです。
そして今回、一番おすすめしたいのは「SHIGUDERI」というウォッカです。
このウォッカは「ミルクウォッカ」と呼ばれるジャンルに分類され、非常に飲みやすい味わいが特徴です。ほんのりとした甘みがあり、ウォッカの強さを和らげてくれる、グイグイ飲める危険なお酒です。
この写真のように、ノミンデパートなどのモンゴルのお土産ショップで簡単に手に入れることができ、自分用やお土産としてもおすすめです。
3-3. 匂いはヘビー級!?馬乳酒にトライ
モンゴルならではのお酒と言えば「馬乳酒(クミス)」です。
馬乳酒は、馬の乳を発酵させて作るお酒で、モンゴルの伝統的な飲み物として知られています。見た目は牛乳そのものの乳白色の液体で、匂いは非常に強く、最初にその香りを嗅ぐと驚くかもしれません。
本音ベースで例えるなら、競馬場を連想させるような超ワイルドな匂いです。
そのため、匂いに敏感な人には少し抵抗があるかもしれませんが、モンゴル文化を体験するには欠かせない飲み物です。
観光ツアーやゲルの家に訪れると、歓迎の印として馬乳酒が振る舞われることがよくあります。これはモンゴルの伝統的なもてなしの一環であり、旅の思い出に残る貴重な体験となることでしょう。
観光用のゲルを訪問した時の馬乳酒を譲ってもらったの写真。馬の皮で出来た袋の中で、馬の乳を発酵させるようです。写真左側の袋の中に、発酵中の馬乳酒がパンパンに入っています。
まとめ
モンゴルのお酒事情は、気候や社会的な規制などが絡み合って形成されています。強いお酒が好まれる一方で、選挙期間中の酒類販売の制限等の厳しい取り締まりもあります。モンゴルを訪れる際には、こうした規制を理解し、現地の文化に敬意を払いながらお酒を楽しんでください。
また、ビールやウォッカ、馬乳酒など、モンゴルならではの酒文化を体験することは、この国を訪れる楽しみの一つです。また、お土産としてもおすすめのウォッカやお酒を手に入れて、自分自身や大切な人への思い出を持ち帰ることができます。
モンゴルの酒文化を深く知り、その魅力を存分にかつ健康的に楽しめることを祈願して、本記事を〆たいと思います。
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