「継続は力なり」という言葉がありますが、この言葉の信憑性は各界の著名人の偉業によって裏付けられています。ですが、物事を達成する上でこの継続性を維持することは、大変な精神力が必要となります。(しかも独学で!)
そこで、今回は「独学」で「継続的に」英語の勉強を進めるための秘訣をご紹介したいと思います。
今回の秘訣は「目標設定」です。
なぜモチベーションを維持できない?
人間、良くも悪くも考える生物です。
「どうすればもっと流暢に英語を話せるだろう?」
「どうすれば大事なプレゼンがうまくいくのだろう?」
といった具合で課題に対して前向きに考え、検討し、達成することは何よりです。
ですが、逆に負の方向に考えるのも人間です。
「何のためにこんな英語の勉強をしているのだろう?」
「最初はやる気あったんだけど……」
誰もが頭によぎる発想で、一番怖いのは、ここからモチベーションが下がってしまうことです。
こうなっては意義を見失ってしまうため、継続する意思が乱れ、後は挫折が待つのみになってしまいます。辛うじて英語勉強から挫折しなくても、精神的にも苦痛なだけです。
では、なぜこういう考えが頭をよぎってしまうのでしょう?
1-1. そもそも勉強が好きでない
私の知る限りで恐縮ですが、大抵の社会人は、元来勉強が好きではありません。
掘り下げてみて、なぜ勉強はこんなにも嫌われ者になってしまうのでしょう?
一番勉強する機会に溢れている学生時代は、同時にたくさんの好きなものが溢れています。スポーツ、ゲーム、マンガ、音楽、車、アイドル、恋愛……数え上げたらキリがありません。中には好きなことに、夢や野望すら感じていた方もいると思います。(私も皆さんに負けないくらい、好きなことにのめり込んでいました。)
対して勉強はというと、机に向かって微分積分や古文・漢文、フランス革命やマルティンルターと長時間格闘しなければなりません。
補習なんて喰らってしまえば、負け組みたいで惨めですし、いくら頭を絞り出しても分からないことだらけで泣きたくなります。
自分と同じレベルの偏差値の同級生を見つけてホッとしていたのは、紛れもなく私です。
なので若い時期は、勉強するよりも「好きなものの世界」の方が楽しいに決まっています。挙句、社会人になった今ですら考えるこのフレーズ「この勉強って意味あるの?」が頭によぎり、勉強以外の好きなことに目移りしてしまいます。
こうして勉強に苦手意識を持つようになってしまいます。
そして、社会人になって勉強し直す時、仮にモチベーションを上げられたとしても、維持しづらくなってしまっているのです。
1-2. 成果が見えない
継続性が大きなカギとなる勉強の成果とは、短期的な視点では見えづらいものです。
成果が見えないと、なぜモチベーションが下がるのでしょう?
せっかく忙しい日々の中、時間を作って試験の準備に励んだのに、目も当てられない成績であれば精神的にキツイです。しかも真面目な人ほど、凹み方が大きいように感じます。
結果、「いくら勉強しても、これじゃあ……」という考えに、頭の中が曇ります。
単に受験のタイミングが早かっただけや、試験慣れしていなかっただけ、という可能性があるにも関わらず、です。
何が悪かったのか課題点を見つけて、改善できる心のゆとりがあればいいのですが、それはそれで美談です。独学である以上、課題点を探そうとするも、逆に混乱してしまうケースもあるでしょう。
しかも前述のとおり、忙しい社会人にとって英語勉強以外にやるべきことがたくさんあり、限られた時間をやり繰りせざるを得ません。
モチベーションの秘訣~4つの目標設定~
今回、紹介したい秘訣はズバリ「目標設定」です。
英語を勉強することへの自分なりの価値、すなわち英語の学習意義を見出すことが大切です。そして学習意義を見出す一つの方法として、「なぜ?」に対する回答(目標)を予め自分に対してキチンと用意してあげましょう。
すなわち、自分にとって明確な目標を設定することです。
2-1. なりたい自分をイメージする
ある一定の語学力を習得した後、その先は、自分はどんなふうに変わっているかをイメージします。
例えば、TOEICのスコアは数値化されて目標として分かりやすいように思えますが、さらに「そのスコアを取ると自分はどのように成長しているのか」を掘り下げてみましょう。自分の目標スコアは、どの程度の社会的地位の人たちが持っているスコアなのか、調べてみればすぐに分かります。
外交官や外資系企業の国際部門で働く人等のエリートは、どの程度のスコアを持っているのか、調べるのも非常に有効です。
このように、TOEICのスコアと紐づく、具体的な姿や肩書をイメージしてみてはいかがでしょうか。
「海外の人達と流暢にコミュニケーションを取れるようになりたい」のであれば、実際に流暢にコミュニケーションを取っている人をイメージすることです。別に日本人をイメージする必要はありません。海外ドラマや海外映画から、端正な顔立ちのスターがカッコよく話している姿をイメージするのも良しです。
私の場合、背丈・顔面偏差値等のスペックは遠く及ばなくても、ブラッド・ピットやジョニー・デップ、ダニエル・クレイグのようなウルトラハイスペックなハリウッドスターを、割と本気でイメージしています。
具体的な人物でなくても、見ず知らずの外国人とざっくばらんに会話している自分をイメージするのも素晴らしいことだと思います。
大事なのは、「なりたい自分」という目標を持って、英語勉強を楽しむことなのではないかと思います。そうすれば、モチベーションなんて勝手に後から付いてくることでしょう。
2-2. 見返したい「何か」を作る
反骨精神というべきか、復讐心というべきか。「リベンジしてやる!」と奮起する爆発力は、勉強だけに留まらず、仕事やスポーツにも有効です。
倍返しというやつです。
試験や勝負事で失敗してしまい苦虫をつぶした経験を持つ方は相当数いると思います。
そんな「経験」や「奴ら」を思い浮かべ、「格段に成長して見返してやる」とバチバチにリベンジに燃えることで、モチベーションを保ちやすくなる時があるのです。
例えば、ダイエットするためのモチベーション維持の一つに「今まで馬鹿にしてきた奴らをギャフンと言わせたい」という目標を作る人もいるのではないでしょうか。
敗北経験を武器に、「打倒○○」や「常勝□□」を掲げて、大会に挑むアスリートも相当数います。
何をやるにしても一歩遅れを取る私の場合、昇進レースには遅い船出でした。
肩書が上がっていく同期たちの姿を、指をくわえながら眺めるのはやはり悔しいものです。
そこで、彼らにはない「バイリンガル」という能力を手に入れて見返してやる、とリベンジに燃えました。(ちなみに、同僚たちを恨んでいるわけではありません。) この時に人生で初めてTOEICで745点のスコアを叩き出し、以来スコアが下回ったことはありません。
このように、英語を勉強するにも、「何か」に絶対に負けたくない・見返してやることを目標に掲げ、反骨精神をモチベーションに変えることも非常に効果的です。
注意として、あくまでも勉強のモチベーションを保つための工夫なので、リベンジに燃えるダークサイドな自分を日常生活の中には引きずらないでください。
勉強が終わったら一呼吸置いて、運動するなり、美味しいご飯を食べるなり、リラックスしましょう。
2-3. ご褒美を用意する
「この目標を達成したら自分にご褒美をプレゼント」とルール付けるのも非常に重要です。
ポイントとして、ご褒美はお金を伴うものであると効果的です。
英語勉強に時間を費やすことで、必然的にプライベートの時間を削ることになります。削るプライベートの時間は、飲み会、ショッピング、映画鑑賞やカラオケ等の時間であることが多く、必然的にお金を使う時間ばかりです。
これらの時間を使って英語勉強に励むことは、お金を使わないことと同じことなのです。
その証拠に、英語の教材は2000円前後で良質なものが手に入ることが多く、50000円のバッグの25冊分に相当します。英語学習に時間を費やす方が、浪費されないのです。
TOEICのスコアが100上がれば、それまで我慢していた洋服やバッグ、ゴルフドライバーを買う、といった具合で自分を讃えましょう。
なお、達成しなかった場合は絶対に自分へご褒美をプレゼントしてはなりません。自分で自分を制御する必要があるので、他人からご褒美を抑制されるよりもしんどいです。
それであれば、ご褒美のレベルを少し上げてみて、次回の励みにする方が余程効果的です。
2-4. 副次的な効果にも目を向ける
英語を勉強している時は、何も英語力の向上だけが期待されるわけではありません。
英語勉強と通じて頭をフル回転することは、それだけでも脳の活性化につながりますし、会社では仕事の幅が広がることもあり得ます。
こうした英語力向上といった主目標以外の副次的な効果も無視できません。
ここで、TOEICを例に、具体的な副次的な効果をご紹介します。
まず、様々な文献やブログにも書いてある通り、TOEICのスコアは、高ければ高い程、社会的な信用を得る事が出来ます。
就活や昇進に有利になる上、スコアが900を超えようものなら、自分からアピールせずとも周りが勝手に褒めてくれるでしょう。
また、TOEICの勉強を通じて、限られた時間内での情報処理力を鍛えられることも魅力的です。
例えばパート7のダブル・トリプルパッセージでは、複数の英文に隠れたヒントを拾い、文章同士の整合性を読み解きながら、論理的に解答する問題が出題されます。
しかも、こうした一連の情報処理を1問1分で解くことを要求されるので、単純に頭脳明晰化するための自己啓発に非常に向いていると言っていいでしょう。
英語上達の目標が曇ってしまった場合、このような副次的な効果にも目を向けてみると、自己啓発するのに十分な学習意義を感じられて勉強に前向きになることができます。
3. まとめ
先にも記載した通り、モチベーションを上げる・維持するには、英語を勉強することの価値(学習意義)を自分なりに見出す必要があります。価値の見出し方の一つとして、目標の設定方法を紹介しましたが、まだまだ方法はたくさんあるかと思います。
是非、皆さんにも自分合った方法を見つけてもらい、継続的に英語勉強を進められることを祈願して、今回の記事を〆ます。
4. 独り言
ちなみに学生時代に一緒に補習を受けていた同級生は、今では救急救命士として人命救助の最前線で活躍しています。
決して彼が努力していないとは言わないのですが、人生、勉強の成績だけで判断できるものではないんだなあ、とつくづく実感します。
そうすると、「じゃ、なんで勉強するんだ?」と、ここまで語ったくせに未だに自問してしまう自分の未熟さに苦笑するところです。
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