英語メールの作り方~初心者向けの3つの心得~

海外業務でスキルアップ

今のご時世、海外のビジネスにおいては、初対面で”Nice to meet you”と物理的に顔を合わせるよりも、メールがファーストコンタクトであるケースが圧倒的に多いです。

そこで、外国人相手の悩めるメール作りにチャレンジしている皆さまへ、こうした壁を越えるべき文面の構成や、注意点を考えてみました。

大切な心得は、伝える順番、具体性、情報開示です。

“PREP”の順番を守ろう

まずは、メール文の基本構成として、”PREP”の順番を守ることをおススメします。

1-1. “PREP”とは?

このPREPは、”Point”、”Reason”、”Example”、”Point”の順番で、それぞれのイニシャルを繋げた造語で、プレゼンテクニックの一つとして紹介されることがあります。

すなわち、結論(言いたいこと)→理由→具体例→結論(言いたいこと)の順番で相手に伝えるという、文章やプレゼンの構成を指しています。

joji
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普段のコミュニケーションでも心掛けたいものです。ニュース解説者やジャーナリスト、政治家等と言ったプロの話者も実践しています。

端的に相手に要求を伝えることが出来る等、この手法が優秀な理由は多々あるものの、その中でも特に外国人相手に有効なのはなぜでしょうか。

それは、「なぜ?」という原理原則的な理由から入るアプローチと、「どんな?」という理由を裏付ける実践応用的なアプローチが、ブレンドされた手法だからです。

国によって(特に欧州)は、どちらがより効果的なアプローチなのか異なることがよくあり、文化・言語学者でない限り、的確に使い分けることは難しいでしょう。

そこで、このブレンド手法である”PREP”が役に立つのです。

1-2. では、どうやって書く?

例えば、あなたが最近付き合い始めた海外のビジネスパートナーに、自社で開催するエキスポに招待したいケースを考えてみます。

  • Point(結論):This letter is an invitation for our company’s EXPO 24’. Our company highly encourage you to attend this event. (エキスポ24’に参加してもらいたい要求(結論)を伝える。)
  • Reason(理由):This event will strengthen the bond between your company and ours by providing an opportunity for you and our executives to get to know each other better.(御社と弊社の重役の交流が深める機会があることで両社の結束が高まる、というメリット(理由)を伝える。)
  • Example(例):For example, by inviting executives from your company to participate in a panel discussion in the event program, we will be able to better understand each other’s management policies.(イベントのパネルディスカッションに御社の重役に参加してもらうことで互いの経営方針の理解を促進する、という理由を裏付けるアクティビティー(具体例)を伝える。)
  • Point(結論):Therefore, our company would highly encourage your company to participate in our EXPO 24’. Thank you.(最後にもう一度こちらの要求(結論)を念押して、サンキューで締める。)

こうして、端的に結論ファーストとすることは大前提、「原理」と「応用」の二つを織り交ぜられている”PREP”の順番を強くお勧めします。

文化により異なるアプローチ方法をより深く理解してビジネスに応用したい人は、様々な文献によって解説されていますので、是非参照してみてはいかがでしょうか。

具体性が大事!

具体性は、私が一番気を付けていることと言っても過言ではありません。

普段の日本人相手のメールよりも、具体的な内容に仕上げる必要があると思っています。

2-1. ハイコンテクストとは?

私たちが思っている以上に、日本語は曖昧です。

これもまた文化が関係しており、「ハイコンテクスト文化」「ローコンテクスト文化」という言葉がキーワードになります。

このキーワードはコチラの記事でも紹介しているので、併せて確認してみてください。

シンプルに言うと、ハイコンテクスト文化とは「言わなくても分かるでしょ」な文化であるのに対して、ローコンテクスト文化とは「言い切らないと分からないでしょ」な文化を指します。

joji
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「ハイ」と「ロー」という言葉を使っていますが、決してどちらの文化が優れているということではありません。

ハイ寄りかロー寄りか、国によってポジショニングがあるものの、日本はどの国よりもハイコンテクスト文化だと思って問題ないでしょう。

joji
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例えば、「空気を読む」は、日本人特有の「言わなくても分かるでしょ」文化の独特表現です。外国人に対して、こうした日本文化なりの「暗黙知」が必ずしも伝わらないことは実に多くあります

よって海外とのメールでのやり取りにおいては、具体性を高めながら話を進めることで、この文化の壁を乗り越えることが出来ます。

例えば、日本人同士のビジネス時よりも、定量的な表現を意識すべきです。

「出来るだけ早め、とはいつまで?」と期限の付け方もいつも以上に具体的にすべきですし、「近く、とは徒歩で約何分?」ということを確認し合った方がいいでしょう。

別の例として、Let us try to consider that~といった「検討しておきます」は、検討して本当に解決できる自信のある時に使いましょう。

難しい課題を暗に先延ばしにするのに効果はあまりない、と考えた方がいいでしょう。

joji
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他にも、「~等」や「~他」というニュアンスは英語では乏しく、私は避けるようにしています。

こうして具体的な表現を心がけることが重要なポイントです。

2-2. コンテクストのチューニング

とは言え、一から十まで細かく具体的に伝えることも疲れるし、文面も回りくどくなりかねません。

joji
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「この国の人は、どのくらい具体的に話せばいいだろう、少しくらいは曖昧でも通じるかな?」と空回りもしますよね。

そこで緊急を要する際ではない限り、例えば資料要求の時に、まずは敢えて「こんな感じの資料」という抽象的な表現で要求するようにしています。

そして返答内容が、要求に合致しているのであればそれで良し、足りないところはそこを具体的に説明して再度要求します。

すなわち、相手の出方で、相手のコンテクストレベルに自分の文章をチューニングするのです。

joji
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日本人の感覚で相手に資料要求をした時に、相手の国にとって何が言葉足らずだったのかをはっきりさせる行為を、この場では「チューニング」と言ってみました。

チューニングの際は、「ありがとうございます、あなた方の資料はプロジェクトの前進に役立ちます。」と相手を尊重した上で、不足している情報について要求してみます。

初めての相手には、名刺のPDFを添付

自分の素性をキチンと明かすため、初めての相手には英語の名刺のスキャンデータを送るようにしましょう。

物理的に対面する場合、最初の挨拶の際に相手と名刺交換する文化は、今の時代でも根強いです。

joji
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名刺の習慣が日本ほどない国だとしても、海外を相手にする部署の担当者や幹部クラスは、名刺を待ち合わせています。

また、ODA(=出資機関が有償若しくは無償で援助する開発途上国等に対する開発援助制度)での被支援国の組織にとって、様々な国・地域・団体がビジネスチャンスを広げようと、コンタクトを受けていることが多いです。

joji
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中には足元を見て支援の押し売りを図る団体もいるようです。そういった団体との差別化を図りましょう。

相手に不信感を与えないよう、積極的な情報開示を心掛けることを忘れないでください。

こうして、ビジネスマナーとして、また「怪しい者ではございません」メッセージを発信することを目的として、自分の名刺を”Nice to meet you”がてら、メールに添付しましょう。

ビジネスマナーを知る一冊

これら3つのポイントを守ることは。ビジネスメールを作る上で大切なことですが、これらだけでビジネスマナーすべてを守れるかと言うとそういうわけではありません。

joji
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知らないうちに、相手の気分を害してしまわないか、不安に思うこともありますよね。

特に慣れないうちは、ビジネスマナーを守れた適切な英語表現で、ビジネスメールを作りたいところです。こうした英語表現やフレーズを知りたければ、是非コチラの書籍を参考にしてみてください。

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ビジネスにとって重要な、相手の立場に立ったマナーあるフレーズを学びたい人には超おススメな一冊です。また、著者自身の幅広い経験から会得されたNGワードや表現の強弱の使い分けも学べるため、より実践的です。

本書はあくまでも、実用的なビジネス英語を指南している本ですが、これらの英語表現はもちろん英語のビジネスメールにも応用できます。

まとめ

私の場合、これらのポイントさえ守っていれば、例えば「お世話になっております」的な定型文はあまり気にしていません

最低限として、例えば最初に相手の国の伝統的なイベント等の話題に1、2行は触れ、最後は、”Best regard”か”Sincerely”でくくります。

実際、海外のビジネスマン同士のメールでもこんな感じです。

メールのやり取りのみでは、相手の文化・習慣の違いに翻弄されることも多々あるかと思います。

こうしたやり取りでビジネスが迷宮入りにならないよう心より願い、本記事を〆たいと思います。

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