仕事とプライベートを両立しながら、TOEICのスコアを上げるための時間を確保するには、日々の移動時間等のスキマ時間が重宝されます。
毎日、英語だけを勉強していられる程、潤沢な時間を持っている社会人はそういないはずです。
そこで、私が実践してみた3タイプのスキマ時間で実践してきた勉強方法を紹介します。
公共の場編
ここでは、電車での移動時間や休憩時間で実践している勉強方法を書いてみました。
一日のスキマ時間の中でも、最も長尺で確保できるので、有効的に活用したいものです。
1-1.トータルスキマ時間
ご自宅と職場との距離や労働環境によって確保できるスキマ時間は変わってくるかと思いますので、あくまでも一例として考えてみます。
・電車内及び電車待ち時間(徒歩除く)… 30分(片道)×2=60分(往復)
・昼休憩(食事時間を除く)… 30分
以上のように、90分もの累計時間を確保できます。
これは、TOEIC L&Rのリーディングセクションの試験時間(75分)を凌駕するスキマ時間となります。
リバー・フェニックス出演の傑作青春映画「スタンド・バイ・ミー」の上映時間と、ほぼ同じスキマ時間を確保できます。
ただし、このタイプのスキマ時間は、睡眠時間に回したくなることが特徴ですので、理想の時間に到達しないケースも日常生活の中で多々あると思います。
食事後の眠い時間帯、電車で座れる時間帯がメインのスキマ時間です。現に私も睡眠の誘惑に負けそうになったり、負けることもあったり……
ということで、なおのこと、少ない時間で効率よく勉強する必要がありますが、具体的にどのように勉強するかは次に書いてみました。
1-2.口パク勉強法
公共の場での独学方法としては、マスクを付けた上で、好きな音楽を口ずさむように教材に出てくる英語を口パクしながら勉強してみるのはいかがでしょうか。
英文の音読練習を習慣化することで、「読み返し」の癖を無くすことが出来ます。 すると、頭の中で和訳すること無く、英語を英語で理解することが出来ます。
ただ漠然と参考書や問題集を黙読するよりも、効率的な独学方法と言えるかと思います。
一方、完全防音室にて一人で過ごすことが無い限り、自分の周りには人がいることはよくあるかと思います。
例えば家の中にもご家族がいるでしょうし、電車の中に至っては同じ空間にいる人は全くの赤の他人ばかりです。
すなわち、矛盾するようですが、このスキマ時間とは非常に音読しづらい時間帯に存在します。
そこで、重要となるのが、口パク勉強法です。
英文を黙読する時、慣れない内はどうしても日本語文との構造の違い上、読み返しをしてしまうことが多くなります。
読解に時間がかかる他、リスニング力も思うように向上しません。
一方で、音読するように口パクで英文を読み上げる(黙読する)ことで、否応無しに読み進めるしかない環境を作り上げます。こうして、そもそも読み返すという行為を強制的に自ら封印することがキーポイントです。
ここで大事なのは、音読する時は途中で文章を区切らず、出来るだけ次のピリオドやコンマまで一気に読んでください。意味を捉えることが出来なかった場合、読み切った後に繰り返し文を読むようにしましょう。
それでも分からなければもう一度…と繰り返します。
最初の内は、無理して長文にトライする必要はないので、例えばTOEICでいうパート2やパート5で出題されるような短文で練習してみましょう。
慣れれば一度読めば理解できる文章の幅が広がり、ハマること間違いなしです。
なお、TOEIC本番等においては、タイムロスを生む可能性もありますので、口パクは実践しないでください。あくまでも、読み返し防止の訓練の際に勉強方法として実践してください。
1-3.必須アイテムは不織布のマスク?
さらにもう一つ加えておきたいのが、不織布のマスクの存在です。
コロナ渦において電車で移動しながら勉強していた時以来、私は独学の際は不織布マスクが必需品となりました。
この口パク勉強法は、英文を声に出して読んでいないだけで、口や舌はハッキリと動かさなければ、その効果も半減してしまいます。
一方で、口パクとは言え、真剣に読んでいればいつの間にか僅かに声が出てしまいますし、電車の中で、一人で口を動かすのも恥ずかしさがあります。
全然大丈夫という人は読み飛ばして頂いて大丈夫です。
そこで私の場合は、マスクで口を覆ってしまった上で、口パク勉強を実践しています。
ここで、実は非常に大事なのが、不織布マスクを活用すること。
不織布マスクは、フィット感が高いので口を動かし続けてもズレにくいし、微かな声量なら吸収してくれる他、何よりも周りの目を気にする必要はありません。
よって、不織布マスクは集中して口パク勉強ができる必須アイテムなのです。
徒歩での移動編
次のスキマ時間は、徒歩での移動時間です。
日常の中では、自宅~駅~職場の移動時間、乗り換えに要する時間が代表的ではないでしょうか。
2-1.トータルスキマ時間
少し小刻みですが、おおよそこのようなタイムスパンが考えられるのではないでしょうか。
・家と駅との間… 5~10分(片道)×2=約15分(往復)
・乗り換え等の待ち時間… 2~3分(片道)×2=約5分(往復)
・駅と職場との間… 5分(片道)×2=約10分(往復)
以上のように、累計30分ものスキマ時間を確保できるわけですが、このような徒歩の移動時間ではどのような勉強が効率的なのか考えてみました。
2-2.徒歩中の聞き流し勉強
このスキマ時間では、視覚を使わないリスニング対策を重視しています。
ここではTOEICのスコアアップに向けた勉強方法として紹介しますが、TOEIC目的でない方も十分参考になる内容だと思います。
パート2の問題集の構成を例に取ると、問題文と選択肢の読み上げで15〜20秒、回答の読み上げで約10秒、合計30秒弱で一問分のリスニングが完了します。すると、1分で2問、徒歩時間30分で60問のパート2の問題に触れることができます。
このペースを崩さずにパート2の勉強を実践すると、1週間で300問もの問題に触れることができます。
現在のTOEIC L&Rで出題される問題数から考えると、徒歩時間のみを活用して一週間で本番10回以上のパート2の問題数に触れることができるのです。
教材選びの注意点は、1問ずつプラス約10秒の解答音声の音読が含まれている教材を選んでみてください。
すなわち、問題から解答まで全く視覚を使わずに、耳だけを使って一問が完結する練習問題こそ、このスキマ時間を有効的に活用できます。
今や様々な教材が、こういった条件をクリアしていると言えますが、”abceed”等のTOEICリスニング対策のアプリの連携している教材を推奨したいところです。
なお、このスキマ時間活用方法は、以下の二つが前提条件の勉強法です。
・音読・口パク勉強法を基本として、補助的に聞き流し勉強を活用してください。
・音声の文面を確認する時は必ず立ち止まってください。
「ながらスマホ」等のよそ見をしてばかりだと、周りの人に迷惑を掛けますし、駅員さんにも注意をされてしまう恥ずかしい空気になります。
また、自動車・自転車での移動時間におけるリスニング勉強は控えてください。どんなに易しいリスニング問題でも一定の集中力が必要です。 英語勉強よりも安全運転の方が重要ですので、どうか運転に集中してください。
在宅編
平日にカフェやスクールに通う以外で、よりストイックな勉強を求めるのであれば、もうそれはご自宅の中です。
しかも同居されているご家族の方がいる中、一体何がスキマ時間になるのか考えた上で、ぜひ紹介したい勉強方法があるのでご参考にして頂けると嬉しいです。
3-1.トータルスキマ時間
主に、お仕事から帰宅した際に確保できるであろう時間帯をピックアップしてみました。
・入浴時間… 約10分
・トイレ… 約5分
・就寝前… 理想は30分
就寝前に一人の時間を確保できる場合、約45分もの累計スキマ時間を確保できます。
決してご家族の目を盗んでまでも英語勉強しろ、と言っているわけではなく、どうやってこういったスキマ時間を日常生活の中で活用するかご紹介します。
3-2.入浴時間の活用
風呂場という特殊な環境にて体を温めるという状況を鑑みて、英語勉強に意識高い人は入浴中に以下の練習に徹します。
・暗記した文面の発声練習
・口の周りのマッサージ
まずは、発声練習です。
よく入浴中に歌を歌うのは、室内が反響して自分の声がよく聞こえる、すなわちカラオケボックスの室内環境に似ているからだそうです。
この特殊な環境を活用して入浴中は思い切って英語を声に出してしゃべってみてください。
昼間に触れた英文を思い出してみても、自己紹介文でもジャンルは問わず、分かりやすいフレーズがいいです。
実践的に英語を発音し、イメージする英語熟練者やネイティブの発音と違和感を感じたら調整するというプロセスを意識してみてください。
次に、マッサージです。
音読や口パクを実践する上で、重要なのは口と舌の動きです。
偉そうに「RとLの発音がどうのこうのう」と言っても、結局は口と舌の動かし方をマスターすればいいだけです。
とは言え、日本語よりも柔軟かつ明瞭な動きが求められますし、それはある意味で頬をバネのように動かすイメージです。
ですので、入浴により温まった頬を入念にマッサージしてあげることを習慣化してみてください。
3-3.家族の理解も大切
どうしても一人の時間を活用できない場合、誰かと一緒にいる時間を英語勉強に割くことになりますが、そのどなたかにとっては、あなたといる時間が削られてしまうことと同じ意味を持ちます。
そこで、英語勉強に時間を費やすにも、普段から信頼関係を築いていることが重要です。
良好な関係を築くことはもちろんのこと、自分の英語勉強に対する姿勢を態度で示すことも重要です。
私の事例はと言うと、自分のワイシャツにアイロンを掛けながら、パート2のリスニング勉強に時間を当てています。
すなわち、自分の家事を自分で熟しつつ、英語に対するストイックな姿勢を示しているわけです。
こんな見え透いたパフォーマンスでも、英語と日常生活を両立させる意味では、案外重要なのではないでしょうか。(少なくともそう信じたいものです……)
まとめ
累計として、一日あたり約165分のスキマ時間を確保できる計算となります。
この時間の長さは、TOEIC L&R本番の試験時間を優に超える時間となります。
往年の傑作映画「大脱走」や、クエンティン・タランティーノ監督の代表作「ジャンゴ 繋がれざる者」等の長尺の映画に匹敵します。
日々のスキマ時間を最大限活用し、極力効率的な勉強方法を活用することで、英語力を伸ばし、ライバルと差を付けることができるでしょう。
是非、皆様なりのスキマ時間を有効に活用できることを祈願して、本記事を〆たいと思います。
独り言
特に私のこだわりのスキマ時間は入浴時間です。
私の、風呂場の中でよく反復するフレーズを紹介させてください。
“Gentlemen, welcome to the fight club. The first rule of the fight club is that you do not talk about the fight club. The second rule of the fight club is that you do not talk about the fight club.”
これは、デヴィッドフィンチャー監督の「ファイトクラブ」の中でブラッド・ピットが話すフレーズです。なぜこのフレーズかと言うと、単純にかっこいいから。
白状しますが、英語を志すのも、最終的なこんなワイルドな英語を話せるようになることに憧れている中二病な社会人であるが故です。
たまに、家内に「何しゃべってたの」と不思議な顔をされますが、あまり気にしないことが無難でしょう。
コメント