「日常会話ぐらい英語でしゃべれるようになりたいけど、忙しくて時間がない」と悩んでいる社会人の皆さんは少なくないのではないでしょうか?

正直、英会話スクールの料金も安いわけではありません。
そんな皆さんにおススメしたい独学方法。それは、毎日の小さな習慣で英語を組み立てられるようになること。
今回紹介したいその独学方法とは、たとえ些細な事でも英語でドンドンつぶやいてみよう、というシンプルかつ誰でもできる独り言の習慣です。
今回は前編として、通勤時間での独り言習慣、そして独り言英訳習慣を紹介します!
なぜ、独り言?
英語脳を鍛えるのに、頭の中で和訳しながら英語をアウトプット(話す・書く)するのではなく、英語で考えて英語をアウトプットできるようになることを目指したいところです。
であれば、日常のちょっとした考え事を、日本語ではなく英語で頭の中で組み立てる練習を試してみませんか?
この練習こそが、英語の独り言習慣です。
外出する際、”It’s time to move out. I gotta go.”「時間だから、そろそろ行くか」 といった英語を頭の中でつぶやくように、心の声のような、映画のモノローグを想像してみてください。

とは言えせっかくであれば、少し背伸びしたフレーズを組み立てて、英語力を向上させたいものです。
そこで、日常のシーンに頭の中でつぶやいてみたい独り言英語を揃えてみました。
なお、参考書や問題集などの勉強方法と組み合わせることで効果が発揮されますので、基本的な英語学習は忘れないようにしてください。
通勤時間の独り言英語
まずは、一番身近である通勤中の一時を使って独り言をつぶやいてみましょう。
この「通勤時間」は、皆さんが単独行動の代表格的な時間帯の一つです。
この時間帯は、独学方法のレパートリーも幅広いことから、スキマ時間としては相当な優等生です。
この通勤時間中につぶやけそうなフレーズを基本編、実践編に分けて、具体的にどんな習慣なのか紹介します。

2-1. 基本編~単純に「今の状況」をつぶやく~
初心者の方は、「〇〇なう」のように自分が今どんな状況に置かれているのかを独り言としてつぶやいてみましょう。

一般的に、SNSでアップする程度の情報量で問題ありません。
ただし、表現は徐々に広げていくことがポイントです。
例えば、こんなフレーズを頭の中で組み立ててみます。
①I am on the train now.(私は今、電車の中だ。)
②The train is so crowded.(電車はとても混んでいる。)
③I am heading to my office.(私は、会社に向かっている。)
のように、まずはシンプル・短文・いかにもつぶやき、というレベルで構いませんから、とにかく英語を組み立てていきましょう。
慣れてきたら、①〜③の内容を一文に収まるようにつぶやいてみます。
Now, I am heading to my office by the train which is very crowded.
また、単語についても”heading to”を、「通勤」という意味を強まるために”commute to”と言い換えてみる等、バラエティを増やしてみましょう.
このバラエティを増やすことで、ボキャブラリーが広がり、様々な英文をアウトプットできるようになります。
なお、バラエティを増やすためには、参考書や問題集等からしてインプット量を増やす必要がありますので、教材を活用した基本的な勉強はお忘れなく。
2-2. 実践編~今日の予定は?~
生きた英語を扱えるようになるには、もう少し独り言内容を、日常生活に寄せて具体化していきます。
皆さんの中には、通勤中に「今日は、こんなスケジュールだから何時までに書類を整理して……」といった具合に、その日の予定を頭の中で整理する方もいらっしゃると思います。
これを、言葉に詰まってでも、頭の中で英語で表現してみます。
例えば、10時にミーティングのアポイントが入っているのであれば、このようなフレーズが考えられます。
①Today’s meeting is scheduled at 10:00 o’clock.
②I have already prepared materials, and I have to print 10 copies out as soon as I reach my office.
③Today’s agenda is to discuss a training program for new employees. So I need to call HR department staffs to this meeting until 9:55AM.
このように3つに分けて、予定しているミーティングについて確認することを想定してみました。
ポイントは、なるべく長い英文を頭の中で唱えること。そしてなるべく長い英文を作り出すのに効果的なのは、なるべく具体性に富んだ内容を盛り込むことです。この具体性とは、海外の方とのコミュニケーションに非常に重要になります。また、個人的な経験上、特にODA等の海外業務に際しては、非常に強力な武器になります。
具体性を高める方法の一つとしては、5W1Hで表現される情報を、つぶやく文面に盛り込んでみると効果的です。
今回の記事では、①から③に行くにつれて、その具体性が高くなるように、例文をご紹介しました。
①は「10時から始まる」という”when”、②は「用意した資料を10部用意する」という”what”と”how many”、③は「新人研修の議題のため、人材開発担当のスタッフを、9時55分に迎えに行く」という”what”と”who”と”when”、と情報量を増やしました。

最初は、①のように情報を一つから始めてみて、徐々に情報を増やしていく練習をしてみましょう。
「英訳習慣」にトライ!
次は、さらに独り言の幅を広げて、皆さんが日常的に触れる日本語を、自分なりに頭の中で英語化し、独り言としてつぶやいてみる習慣にチャレンジです!

教材は中吊り広告、街の看板、新聞等、無限に存在すると言っていいでしょう。
例えば、隣に日本語が通じない外国人がいると仮定します。
その人は、あなたの家にホームステイに来た外国人で、あなたは日本をガイドしなくてはなりません。普段からあなたにベッタリ「あれはなんて書いてある?これはどういう意味?」”What’s this meaning?” “What is written down there?” と、なんでも興味津々に聞いてきます。
その時に、頭の中の外国人にイチイチ教えてあげるイメージを持って、日本語を英訳することを習慣づけてみます。
3-1. 「英訳習慣」のメリット
まずは、翻訳対象のその膨大なボリュームから、「問題集を中心とした勉強」のデメリットを補ってくれることでしょう。
というのも、参考書や問題集等での勉強と組み合わせることは大前提ではある一方、一冊を数多く反復していると自然と解答を覚えてしまうデメリットがあります。
具体的な解答までは覚えていなくても、一度読んだ問題文の内容は、「あー、こんな問題あったな」と、頭の片隅には残ってしまいます。
対して、「日常的に見る日本語」というルールさえ守れば、身の回りのものをいくらでも利用できます。
また、別のメリットとして、目にする日本語を何度も英訳しようとすることで、自分が得意な英語表現にたどり着くことが出来ます。
「あれ?さっきも、この構文を使ったな」や「この単語、よく使うな」等と発見し、自分の癖が分かってきます。
私の場合、この習慣をスタートして、関係代名詞”which”や”who”や、”Also”や”In this case”等のクッション的な単語を積極的に使うことが、自分でも多いように感じます。
3-2. 基本編「まんま独り言英訳」
では、具体的にどうやって実践していくべきでしょうか。
まずは「まんま独り言英訳」。文字通り日本語を読んだ通りに英訳する習慣です。
広告やポスター等で見かける比較的に短文の和文を自分なりに英訳してみましょう。
たとえば、私が普段使っている電車や駅にはこんな日本語が散りばめられています。
街中の看板だと「理想のお住まいがきっと見つかる。」、駅の構内には「雨天時は、床が滑りやすくなっていますので、十分注意してご通行ください。」。
こうした短文を、教材として英訳してみましょう。ちなみに、この2つの短文をその場で頭の中で英訳するとしら、こんな感じでしょうか?
中吊り広告: “Definitely, you can find your ideal house.” “Let us help to seek your only-one residence.”
駅構内の注意喚起: “Please watch your step because of the wet floor when it rains.”
(語彙力が高い方は「滑りやすい床」=” Slippery floor”と英訳してみるのも一つの手です。最初、私はこの英単語は出てきませんでした……。)
前の章にも書いたとおり、この習慣の極意は、自分なりの得意な英訳スタイルを見つけてみることです。是非アレンジ英訳にトライしてみてください。
なお、同じ意味の和文と英文が併記されている看板やポスターもありますが、これはこれで、模範解答だと思って、文脈を観察してみるのもありです。
3-3. 応用編「要約独り言英訳」
次は、少し難易度は高いですが、「すなわちこの文面は何を伝えたいのか」を英語で組み立てる習慣です。名付けて「要約独り言英訳」。
新聞やネットの記事や雑誌のコラムなどをサラリと読み、その内容を要約してみましょう。
コツとして、要約したい記事・コラムは「結論→理由→具体例→結論」という順番でまとめることです。

この順番は、「PREP法」というプレゼンテーション手法を参考にしています。特に、英語圏の方々と仕事をする際には、非常に重要な手法になるでしょう。
今回の例として、こちらの記事の一部を「要約英訳」してみました。この記事は、この「社会人からの英語脳」の一つで、「英語の独学に、音読習慣を取り入れることのメリット」を主に紹介している記事です。
- 「結論」:“If you are learning English by yourself, an oral reading is essential.”
- 「理由」:”Because this method can help you to upgrade your English skill related to reading, listening and speaking.”
- 「具体例」”For example, if you get into an oral reading habit, you will be able to understand English sentences without reading repeatedly. So once you have reached this stage, you will be able to read sentences faster.”
- 「結論」”In conclusion, for this reason, you should try an oral reading practice.”
この内容が記事の全てではありませんが、要約してみるとこのような例文になります。(おそらくは、もっといい表現方法はあるかと思います。まだまだ勉強中ですね。)
こうして、「要約独り言習慣」にチャレンジすることで、伝えたいことを英語で端的にまとめるスキルをゲットしてみましょう。
表現力を広げてくれる英語・英会話教材
英語を頭の中で組み立てるにしても「そもそも英語の表現を学びたいです!」と言う社会人の方も多いと思いますし、かく言う私もそうです。
そこで、社会人の皆さんが独学するため、強い味方になってくれるであろうビジネス英語・英会話を指南する教材をこちらの記事で紹介してみました。
海外業務未経験者の30代社会人の筆者が海外を相手に英語で渡り合えるよう、独学のお供になった教材から、3つの書籍を厳選!初心者の皆さんが、効率よく効果的に英語力を引き上げるため、敢えてタイプの異なる書籍を抜粋して、それぞれのメリットとデメリットを紹介しました。
海外経験豊富な著者たちによる、実用性の高い英語表現を吸収することが出来る教材をレビューしてみましたので、是非ご参考に!
まとめ
今回は、通勤中の身の回りの状況や予定の確認等、誰にでもあり得るつぶやきを英語で独り言化する習慣を紹介しました。
また、身近な日本語の情報をインプットし、英語でアウトプットする独り言英訳習慣を紹介しました。
この習慣は、教材等で学習した内容を基に、徐々に独り言の内容をバラエティ豊かに、かつ具体化することがポイントです。
後半では、さらに踏み込んだ英語の独り言習慣として、「他己紹介習慣」と「英語でレビュー習慣」を紹介、さらにこの独り言習慣の注意点と対処方法を解説してみました。
皆さんの日々の英語つぶやきが広がることを祈願して、本記事を〆たいと思います。
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