多忙な社会人やアクティブな学生にとって、英語を勉強するのに、いかに効率的に学習できるかがキーポイントです。
ここでは独学する時は極力避けたいNG習慣を紹介します。
単語カードメインの語彙力強化
語彙力を延ばすのに、単語カードばかりで勉強してしまうのはあまりお勧めできません。
単語カードというと、ミニサイズで持ち運びやすい手軽感がありますし、実際に単語を自分で書くことで運動性記憶により知識が培われるというメリットがあります。
単語カードを一冊出来上がった時は優越感に浸れるし、学生時代に電車の中で活用した方も多いのではないでしょうか。
こうして見ると効率的な独学方法ですが、果たしてどんなデメリットが内在しているのでしょうか。ここで挙げたい一つの理由として、英単語の和訳は意訳であることがしばしばあります。
ここでは、同じように単語カードが活用することが多い漢字を例に比較します。
漢字の場合はそれに対応する読み仮名が対になって存在するので、単語カードでも正しい語彙を吸収することができます。
例えば、経理分野でよく目にする「約定」は「やくじょう」です。
表裏の単語カードでその読み方を確認しながら、「やくてい」は誤読であることに気が付き、正しく語彙力を身に付けることが出来ます。
では、英単語ではどうでしょうか。
当たり前のことながら、英単語とは日本語が由来ではないため、必ずしも日本語の意味と対になるわけではありません。
例えば、形容詞である”available”は、「便利な」と日本語で覚えていた方もいるのではないでしょうか。
実際にTOEICで出題され得る文面はこんな感じです。
“I have two tickets of concert. Are you available on next Friday?”
この場合、”available”=「便利な」で覚えていると、「コンサートのチケットを2枚持っています。次の金曜日は、あなたは便利ですか?」と少しズレた解釈となってしまうでしょう。
この場合、「次の金曜日の予定は空いていますか?」と和訳されます。
この”available”は「ある人や物や事柄が、別の人や物や事柄にとって、ハマる・マッチする」といったニュアンスのある単語です。
ちなみに、ビジネスシーンで使っても失礼に当たらないので、アポイントを入れたい時はじゃんじゃん使うべきです。
こうしたニュアンスを吸収する方法としては、単語カードよりも覚えたい英単語が実際に使われている文面になるべく触れることをお勧めします。
スキャニングの乱用
まず、スキャニングとは?
TOEICの長文読解では、問題に対する解答を長文の中から短時間で探す必要があります。
そこで、本文すべてを読み込もうとはせず、本文から問題文の解答のみを抽出しようとする読み方を「スキャニング」といいます。
この「スキャニング」は、英語の文章を読むときだけではなく、日常においても必要情報を資料から読み取る時にも実践している方も多いと思います。
一方で、英語の独学においては少し話が別で、特に初心者の皆様はあまりこのスキャニングに力を入れない方が無難です。
理由はいくつかありますが、今回は3つの理由を説明したいと思います。
第一に、論理的な読解が困難になります。
スキャニングは、本文中の答えを探ることに特化しています。
なので、本文の内容を頭に入れることを目的としていないため、ストーリーを理解することが出来ず、因果関係を把握することが難しくなります。
また、難易度がそれなりに高い問題には通用しません。
文章中の一部の内容を要約する必要がある問題や、2つ以上の長文の一部ずつを参照しないと解けない問題には、太刀打ち出来なくなってしまいます 。
第二に、読み返しの回数が増えてしまうこともデメリットとして挙げられます。
ストーリー重視ではないスキャニングを続けていても、解答のヒントを見つけようと因果関係を確認するため同じ文面をもう一度読み直す、という作業を繰り返してしまうことで、タイムロスが発生します。
TOEICパート7を例にすると、一問当たり1分で解き進めていく必要がありますので、モタついてしまっては流れを作ることができません。
第三に、スキャニング自体が必ずしも読解力の向上にはつながりません。
そもそも英語力を上げたくてTOEIC対策等の勉強をしているのに、本文の意味を掴もうとせず「ウォーリーを探せ」みたいなことをしても意味がありません。
正解をスピーディーに見つけようとする姿勢は賞賛に値しますが、まずは英文を一つのストーリーとして捉え、因果関係を把握していくことに集中しましょう。
なお、「読み返し」防止には、音読や口パクを実践して、頭からお尻まで一回で文章を理解する訓練が必要です。
まずはスキャニングの存在は一旦忘れて、一発で英文を理解しようと試みているこちらの記事をご参考にしてみてはいかがでしょうか?
ながらリスニングの乱用
こちらの記事にて、スキマ時間を最大限活用するメリットと活用方法を解説しています。
この記事にも一部触れている内容の一つとして、徒歩時間の活用があります。しかし、この勉強方法は日常の通勤時間等の歩き慣れた徒歩の時間のみに実践してください。
あまりストイックになり過ぎて、車の運転中でのリスニング勉強はもちろんのこと、ランニング中といった体力が必要となる時もあまりお勧めしません。
周りの人達に迷惑をかけてしまう恐れは十分にありますが、もう一つの理由としては、リスニング勉強に必要な集中力が削がれ、「何とか解ける」レベルの問題で勉強できなくなってしまいます。
例えば、通勤時間の徒歩程度であれば、ランニングのように息が切れる程に疲れないと思いますし、自動車や自転車の運転ほどの集中力は要らないと思います。
また、脳を刺激するためにも、徒歩程度の「疲れない運動」を伴う勉強法を取り入れることも効率的だと言えます。
一方で、体力を消耗してこそ効果のあるランニング等のスポーツと併用すると、集中力が必要な「何とか解ける」レベルの問題に対応できなくなります。
この「何とか解ける」レベルの問題は、自分のスコアや英語力を上げる最良の問題です。
ですが、ランニングに集中力を注いだとしても聞き取れる程度の「難なく解ける」レベルの問題ばかり流し聞きしても効果的とは言い難いものです。
極論として、運転中にリスニング勉強に集中するわけにはいかないですし、最悪事故でも起こしてしまったら、英語勉強のせいで人生を棒に振ってしまいます。
それに個人的にはランニングや運転はスキマ時間では無く、大事な趣味の時間だと思っています。勉強のことなんて忘れて思い切り打ち込んでみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は、NG勉強方法を3つご紹介しました。
効率的な勉強方法が求められている中、良かれと思って独学していても、落とし穴にハマってしまわないよう注意することも必要です。
皆さんが、落とし穴にハマらないよう祈願しまして、本記事を〆たいと思います。
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