日常会話でちょっとしたおしゃれな英語を使えたらかっこいいですよね。映画や洋楽の中には、そんな素敵なフレーズがたくさん隠れています。

サラリと会話に添えることで、洗練された英会話に昇華させてみましょう!
今回紹介するのは、映画「トップガン・マーヴェリック」に登場するこちらのフレーズ……
“ Just want to manage your expectation.“
“No”とは言いづらい時、ユーモアを交えながら謙虚な姿勢を見せたい時に使える、シャレた言い回しです。
何の映画のフレーズ?
“Just want to manage your expectations.” は、映画「トップガン・マーヴェリック」の中で使われたセリフです。「トップガン・マーヴェリック」は、1986年に公開された映画「トップガン」の続編で、2022年に公開されました。主人公は、トム・クルーズ演じるピート・”マーヴェリック”・ミッチェル。彼は伝説的なパイロットでありながら、今も現役で飛び続けるベテランです。

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“Just want to manage your expectations.” の作中の使いどころと意味・ニュアンスとは?
映画の中で、このセリフはマーヴェリックが若いパイロットたちに向けて言う場面で登場します。ここでは、このフレーズが使われたシーンや、その意味・ニュアンスを詳しく見ていきましょう。
2-1. どこのシーンで使われた?
かつて自分も所属していた「トップガン」という、エースパイロットの訓練所に戻ってきたマーヴェリック。とある危険な作戦を完遂させるため、彼は教官として若手のエースパイロット達を育成するように命じられます。
上司にあたるサイクロンとウォーロックから、ミッションの説明を受けるシーン。少将であるウォーロックとの会話の中で、マーヴェリックは教官というガラではないので謙遜している様子です。
Warlock: “You two have something in common. Cyclone here was first in his class back in ‘88.”「君たち二人には、共通点があるな。ここのサイクロンはかつて1988年の(トップガンの)クラスで主席で卒業している。」
と、成績トップのサイクロンと肩を並べる程の実力を期待している発言に対して……
Maverick: “Actually, sir, I finished second. Just want to manage your expectations.“「実は、私の成績はクラスで2位でした。期待なさるほどではありませんよ。」
と、今回のおしゃれフレーズを使いました。
2-2. 意味とニュアンス
まず、”Just want to manage your expectations.”を、直訳すると「ただ、あなたたちの期待を調整したいだけ。」となります。
“Just want to”は「ただ~をしたいだけ」は、すぐに分かりますね。
ここで、注目したいのは”manage your expectations”。
先に目的語の”your expectations”について解説すると、この場合は「あなたの期待値」と言うニュアンスです。次に、動詞”manage”は一般的に「管理する」や「運営する」のイメージですが、この場合「うまくやりくりする」と言うニュアンスに近くなります。
すると「あなたの期待値を、(私は)ただうまくやりくりしたい。」と言う意味合いになります。
他方で、前述のとおり、このセリフの発言者であるマーヴェリックは、「俺なんて教えるってガラじゃないよ~」と謙遜しています。
つまり、シーンの背景も合わせると “(I) Just want to manage one’s expectations” とは「あなたに過度な期待を持たせないようにしたい」というニュアンスになるのです。
2-3. 逆のニュアンスになることも?
ただし、文脈や会話の流れによって全くの逆のニュアンスにもなることがあります。例えば、このフレーズは、期待が高すぎる相手に「現実を見てね」と伝えるときに使えます。
このフレーズは映画のCMでも出てくるのですが、現場上がりのマーヴェリックは“I’m not a teacher, so I wanna just manage your expectation.”と表現が変わっており、「私は教師ってガラじゃありませんが、期待には沿うようにします」と言う字幕になっていました。
すなわちこの文脈だと、マーヴェリックは優しい指導をせずに、「先生ではない」ことを強調して厳しく実践的な訓練が待っているよ、と観客へワクワクを”manage”するCMになっています。
少し皮肉交じりで、ニヒルでクールなフレーズだからこそ、文脈によってその意味合いも変わってきます。
どんな時に使える?
このフレーズは、カジュアルなシーンで使うのにぴったりです。特に、誰かが過度な期待をしているときや現実的な視点を持ってほしいときに使えます。

【使い方例】
1. 友達との会話
A: Hey, do you think we can get the report done by tomorrow morning?
(ねえ、明日の朝までにレポート仕上げられると思う?)
B: I just want to manage your expectation—there’s a lot to finalize, so it might take until the afternoon.
(期待しすぎないでね。まだ仕上げることがたくさんあるから、午後までかかるかもしれないよ。)
2. 仕事でのやり取り
A: You’re the IT expert, right? Can you fix my computer in five minutes?
(君、ITの専門家でしょ?5分でパソコン直せる?)
B: I’m not a magician, just want to manage your expectations.
(魔法使いじゃないからね。あまり期待しすぎないで。)
3. スポーツの試合前
A: Do you think we have a good chance of winning today’s game?
(今日の試合、勝てる可能性は高いかな?)
B: I just want to manage your expectation—it’s going to be a tough match, but we’ll give it our best shot!
(期待し過ぎないで。厳しい試合になりそうだけど、ベストは尽くすよ!)
まとめ
このフレーズの魅力は、ユーモアを交えながらも、期待値を調整する点にあります。
「いやいや、そんなすごいことはできないよ」と言いたいとき、ただ “No” と言うよりも、このフレーズを使うと柔らかく伝えられます。
映画のワンシーンのように、ちょっとカッコよく英語を使ってみたいなら、このフレーズを覚えてみてください。日常会話でも、仕事でも、ちょっとしたジョークとしても使えます。ぜひ、サラリと使いこなして、おしゃれな英会話を楽しんでみてくださいね!
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